PLASの現地活動現地レポート

ウガンダレポート|質の高い支援vs多くの人に届ける支援

現在、ウガンダに出張している海外事業マネージャーの三関より、現地レポートが届きました!

今回のレポートは、ウガンダで協働している団体、マルチパーパスとのスタッフ研修の様子です。

普段の支援を振り返るスタッフ研修

パートナー団体のマルチパーパスのスタッフ研修を行いました!

この団体で5,6年働いているベテランスタッフもいれば、今年参加した若くて経験の浅いスタッフもいます。

スタッフ一人ひとりが持っている考え方を少しでも共有できればいいなと思い、機会を作りました。

 

今回はあるテーマについて、普段の支援を振り返ってもらうことを目的に議論してもらいました。

テーマは「質の高い支援vs多くの人に届ける支援」です。

支援者のみなさんから頂いたお金で、「質の高い支援を多くの人に届ける」ことが理想的ですが、どちらも同時に行うことはできません。

彼らの個人の意見とは別に2つのチームに分かれて、Aチームは質の高い支援をすべきだということを主張してもらい、Bチームは多くの人に届ける支援を主張してもらいました。時間は15分間、スタート!

(写真)スタッフ研修は事務所に併設しているホールで実施します

質?量?あるべき支援を大激論

みんな積極的に発言してもらえるかなと心配していましたが、無駄でした。

相手の意見を聞いて尊重しながら意見してくださいというルールはすぐに破られ、激しく口論になりました。

そのうち、英語だったのが、ガンダ語になり、わたしが介入できず、代表のムシシに助けを求めました。

15分後、マルチパーパス代表のムシシがまとめようとするものの、高ぶった感情は止めることができず、その後も激しい議論が10分ほど続きました。

(みんな今日は早く帰りたいと言ってたのに…。)

 

ここでそれぞれのチームの主張をご紹介します。

<Aチームの主張>

  • 決められた予算の中では人数を少なくして一人ひとりにじっくり向き合うことにより、その支援がより効果的となる
  • 一回のプロジェクトでは人数が少ないがプロジェクトを重ねていって、対象を増やしていくというやり方が有効

 

<Bチームの主張>

  • 「Education for all」というスローガンを政府は打ち出しているのに、一部の人に支援を届けるのは不公平だ
  • 実際にプロジェクトをやっていく中で、「わたしもプロジェクトに参加できないか」という人が多くいるのに、断るしかない現状だ

 

(写真)左:代表のムシシ 議論をまとめようとするが止められない勢い

「不平等」と感じる人たちの存在を忘れないこと

この議論にもちろん正解はありません。

限られた資源(ヒト・モノ・カネ)の中で、パートナー団体とPLASが行っている支援の届け方について、良い点と悪い点をしっかり認識して活動することが大切かと思います。

 

PLASは支援をしてきた人数は少ないですが、一人ひとりに向き合った持続可能な支援を届けています。

その一方で、地域のすべての人に支援を届けているわけではないため、「不平等」と感じてしまっている人たちがいることを忘れてはいけません。

パートナー団体と一緒にどのような支援が子どもとその家族を支えて、社会を変えていくことになるのか、一緒に考え、悩み、前に進んでいきたいと思います。