PLASチャリティーショップ国内の活動

ジェンダーギャップ解消と、てしごとの力~ペーパービーズ販売に秘められたストーリー

 PLASのペーパービーズネックレスを販売いただいている白金台のギャラリーショップ「Will Gallery(※3月末で閉店、5月25日より蔵前にて「そらとひと」としてリニューアルオープン予定)」様を訪問し、代表の小安美和様にギャラリー設立の経緯やアクセサリーにこめられた想いをインタビューしました。

【写真】左からWill Gallery代表: 小安さん、PLASインターン生/本記事筆者: ワード、PLAS理事/事務局長: 小島

20年越しの想いをかたちに
 20年前ほどにシンガポールに住んでいて、その時にカンボジアやラオスなどの途上国に行った時にさまざまな格差を見て、いつか途上国にお金を還元するビジネスをやりたいと思ったのがWill Galleryをはじめたきっかけでした。

 日本に帰ってきて株式会社リクルートに入社した後の11年はそのことを思いながら何もせずに過ごしてきました。会社(株式会社Will Lab)を立ち上げる際に、日本の女性のジェンダーギャップ解消に取り組みたいという思いと同時に、途上国の女性たちにお金を還元できるようなビジネスもやりたいと考え、週末のみWill Galleryをオープンすることにしました。

勢いで始めたギャラリー、ストーリーとともに
 もともと少数民族の工芸品が好きだったんですよ。私の家の中も(ギャラリー全体を見渡しながら)こんな感じで、このギャラリーも自宅の一部みたいな感じになってます。でも(ただの)雑貨屋では儲からないためどうしたものかと考えあぐねていたのですが、結局は勢いで始めちゃった感じです(笑)

 通常のアジア雑貨屋と戦おうとすると価格勝負になってしまう。でも、目的はそこではなく、その地域の女性の課題や課題解決のストーリーを日本に紹介したくて始めました。

 

【写真】バック・ネックレス・ピアス等世界中の様々な雑貨が置かれている

 作り手がどんな思いで作っていて、ものづくりを通していかに自己肯定感が高まって行くか、何をKPI(Key performance Indicator=重要業績評価事項)としているかなどを必ず聞かせていただいてから扱うようにしています。

 基本的には現地に行き、起業家の方々と話をして、買い付けようと思っています。が、いろんな人が世界中でいろんな活動をされていて、最近は紹介や持ち込みも多いので、今はまだ現地に行っていないブランドもいくつか置かせてもらっています。

 

【写真】色鮮やかなウガンダのバスケット

 

アジア、アフリカ、そして日本へ
 当初のコンセプトはアジアがメインだったのですが、徐々にアフリカのものも増えていき、最近では国内のてしごとも取り扱っています。
 東北の被災地でも女性の働く場がなかったり、仲間がいなく、ひとり孤独を感じてしまう子育て中のお母さんたちがいらっしゃいます。そのような課題解決のために作られているてしごともいくつか置かせてもらっています。

 最初はアフリカのバスケットから始まった商品ラインアップは、今や16カ国35ブランドほどまでになりました。

ものづくり分野の女性起業家を応援したい
 売り上げを伸ばすことによって少しでもお金を還元するという目的だけでなく、起業家の事業支援をしたいという思いもあり、改善策や消費者のニーズなどのフィードバックを必ず戻すようにしています。これが価値になっていくと感じているので。

 

てしごとを通してジェンダーギャップに気づく
 日本の女性たちは、自分たちが現在、ジェンダーギャップがある社会に生きているということをあまり知らない、または、気づいていないことがとっても多いんですよね、ジェンダーギャップ勉強会をやろうと言っても、そもそも気づいてない人は来ないわけです。
 一人一人が女性として「あるべき(MUST)」生き方ではなく、「ありたい(WILL)」生き方をして欲しいという思いがあり、Will Galleryという名前にこめました。
 Will Galleryとしては、最初はてしごとを見に来たのだけど、徐々に周囲のジェンダーギャップが気になりはじめて、自分も何かやってみたい、と一歩を踏み出していただければ嬉しく思います。

 

今日を生きる女性たちへ: 「どうありたいか」という問い
 「(自分は)どうありたいか」と常に考え続けること。これに尽きると思いますね。日本に住んでいると20代後半になったら結婚をし、出産をしなければと考える「あるべき(MUST)」があります。女子大生と話すと、そればかりを考えてしまう人が多いように感じます。「(本当は)どうしたいの?」と問い直すと、いろいろな夢があるのにも関わらず、その夢を語る前に社会の枠組みの中でどうやって生きていくかということばかりを一生懸命に考えている気がするのです。なので「本当はどうありたいのか」ということを考え続けてほしいですね。

 作り手の女性たちが思いをこめて作る「てしごと」の数々と、明るく親しみやすい雰囲気が素敵な小安さん。そんな魅力あふれるWill Gallery。5月より蔵前に移転し、「そらとひと」と名前を変えてリニューアルオープンします。皆さんもぜひ足を運んでみてください!