世界エイズ孤児デー国内の活動関連情報

2018年の世界エイズ孤児デーをむかえて今思うこと(1/2)

2018世界エイズ孤児デー
2018世界エイズ孤児デー

 

 

こんにちは。PLAS理事の一宮暢彦です。

日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、5月7日は世界エイズ孤児デーです。2002年にニューヨークで開かれた国連子ども総会で制定されました。PLASでは私が大学生だった2006年から日本では唯一の機関として世界エイズ孤児デーキャンペーンを行ってきました。

今回、この機会に改めてエイズ孤児の問題とPLASの存在意義についてまとめました。

エイズ孤児の問題とは:遠くて見えにくい問題

PLASの支援対象でもあるエイズ孤児の定義は「両親もしくは片親をエイズでなくした18歳未満の子ども」(必ずしも子どもたち自身がHIVに感染しているわけではありません。)とされています。
現在、世界には1650万人のエイズ孤児がいると言われており、その8割超がPLASの活動するケニア、ウガンダを含めたサブサハラ(サハラ砂漠以南のアフリカの地域)に集中しています。

親をエイズで亡くした子どもたちは様々な問題に直面します。
まず家庭の収入が減ることで、十分な教育や医療などを受けるチャンスが小さくなります。両親を亡くした子どもの場合、親戚などに引き取られることになりますが、限られた家庭内の収入の中で養子である彼らの優先順位が低くなり、十分な教育を受けられないことがあります。
学校にいけない子どもたちは単に学歴がないために将来安定的な収入を得られるチャンスが小さくなるだけでなく、私たちが学校で授業の時間以外学んだ人間として生きていくために重要なこと(人間関係の構築、あいさつ、時間を守るなど)を学ぶチャンスも失います。

また地域によってはHIV/エイズに関する正しい知識が人々の間に広まっておらず、「あの子と関わってはダメ」「あの子に触れたら死んでしまう」とエイズ孤児たちが差別を受けるケースもあります。子どもたちは生活をするコミュニティの中から離され、孤立した状態になることがあります。
子どもたち自身も自分は「他の子どもとは違う」と思い、自分自身を差別し心を閉ざしていくこともあります。

最悪のケースでは、このような状況に置かれた子どもたちは少年兵、売春、ストリートチルドレンなどになり、彼ら自身がHIVに感染する確率が高まりさらなるエイズ孤児を生んでいくという負のスパイラルの構造となり、さらなるエイズ孤児の増加にもつながります。

HIV/AIDSの問題は感染者に目が向けられることが多いですが、もう少し掘り下げて問題を見ていくとPLASが支援対象にしている残されたエイズ孤児たちの姿が見えてきます。なかなか日本で生活する中では見えにくい問題ですが、PLASはこのような状況に置かれるエイズ孤児の存在をアフリカで知り、活動をスタートさせました。※PLASの活動について

 

エイズ孤児を取り巻く環境の変化:アフリカのHIV/AIDSってもう昔の問題なのか?

PLASは2005年の設立から13年近くアフリカのエイズ孤児の問題について活動を続けてきました。その中で見えてきた、エイズ孤児をとりまく環境の変化があります。

HIV/AIDS、およびエイズ孤児の問題に関する状況は好転の傾向にあります。2000年代後半から治療薬の開発と普及が進み、エイズが原因で亡くなる人の数が減少しています。エイズ孤児に関しても2010年以降減少の兆しがあります。

そのこともあってか、世界全体でもHIV/AIDSの問題に対する問題の重要度の高さは過去に比べて薄れてきている感はあります。昨年、ピコ太郎さんが起用され話題になったSDGs(Sustainable Development Goals)の前身であるMDGs(Millennium Development Goals)では「HIV/AIDS、マラリア及びその他の疾病の蔓延防止」とHIV/AIDSに関する目標が独立した形でありましたが、SDGsではその他の健康、医療、保健関連とまとめられてしまいました。
このMDGsに呼応する形で2000年代は多くの企業や機関が12月の世界エイズデーを中心にキャンペーンやイベントを行っていましたが、それらの動きも一部は継続されているものの全体としてはトーンダウンしている印象を否めません。

また日本及び先進国の「アフリカ」に対する関わり方もこの10年で変わってきました。これもMDGsからSDGsへの変遷とも関係があるかもしれませんが、10年前は国際協力の文脈で語られることが多かったですが、アフリカをビジネスの市場として捉えるトーンが強くなってきています。日本が主催するアフリカ開発会議TICADも回を重ねるごとにビジネスの色が強くなっています。私が初めてアフリカに行った2006年頃は、ボランティアや国際協力の切り口が圧倒的に多かったですが、現在では現地企業でのインターンやビジネスを視察するスタディツアーなども増えています。

アフリカ・あるいは社会問題への参加に対する関心が高まり、関わる人も増え、様々な関わり方が登場することは、社会が前進するための大きな推進力であると言えるでしょう。
一方で同時に、私たちPLASはNGO(Non-Governmental Organization)として、こうした変化の潮流をとらえながら公的セクターとは異なる立ち位置から・ビジネスセクターとは異なるアプローチで、エイズ孤児の問題に取り組むことの必要性と意義を再確認しました。
過去に比べてエイズ孤児の数自体は減少し、問題への関わり方も増えたとはいえ、未だに1,650万人のエイズ孤児が存在します。その問題に対して、いかに隠れている問題を見つけて光をあてて問題解決へリードする役割を担うか―――。
今、活動の真価が改めて問われていると感じています。

<<データで見るエイズ孤児>>

(単位:万人)

世界には1650万人のエイズ孤児がいます。2010年をピークに緩やかに減少傾向が出てきています。

(単位:万人)

エイズ孤児のうち83%がサハラ以南のアフリカの子どもたちです。その数は1370万人に上ります。

 

PLASでは、世界エイズ孤児デーキャンペーンの一環として、5月19日(土)にチャリティパーティーを開催します。

エイズ孤児問題に触れるだけでなく、起業家ゲストをお招きしたトークセッション・軽食を囲んでの交流・協賛企業様からの景品があたるゲームなど、楽しくご参加頂けるコンテンツをご用意しています。

チャリティパーティーの詳細をみる

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