PLASの現地活動ウガンダプロジェクト-CAFE現地レポート

分析から見るマザーの成長!コロナ禍を乗り越えた今の姿

こんにちは、海外事業担当インターンの片山です。

今回は、ウガンダのパートナー団体であるHE-RECORDSの職員の方々をお招きしてオンラインで行った、CAFE4の成果分析発表会についてお話します。

CAFE4とは、「カフェ・ビジネスによるシングルマザーの生計向上事業(CAFE)」で、今回で4期目。
HIV陽性のシングルマザーによるカフェの開業、経営をサポート、生計向上を図り、子どもが学校に通えるようにするとともに、経済的な自立を後押ししています。

コロナ禍を乗り越え、事業を修了したマザーたちの成長した姿をご覧ください。

次につなげる、成果分析発表会

CAFE4が3月の修了式を以て幕を閉じたため、参加していたマザー達の成果を可視化し、次に繋げるべく、インターン生でプロジェクト開始時のベースライン調査と終了時エンドライン調査を比較分析し、共有会を開くことになりました。

子どもを育てながら働くシングルマザー

回の成果分析は発表会には、PLAS側から理事、海外事業担当を含めた職員の方々、HE-RECORDSからは代表と元CAFE事業コーディネーターが参加し、私ともう一人の海外事業インターン生の戸谷さんが分析結果のプレゼンテーションを行いました。

修了式の様子

分析から見えてきた成果

それでは、実際の分析結果を少し見てみましょう!

家計面では、マザー達の1週間の収入の中央値が上がった他、貯金を持っている人の割合が100%に(下のグラフをご参照ください)、また貯金の頻度が「6ヶ月以内」から「1週間以内」や「1ヶ月以内」に増加しました。
さらに、一定期間内に生活必需品を買えないことがあったマザーの割合も大幅に減少し、家計の向上、安定化に繋がったことが分かりました。

「今貯金を持っていますか?」

ベースライン調査

エンドライン調査

 

精神面では、自分自身に満足している人の割合が2倍に増加したことや、HIV陽性であることに劣等感を覚える人の割合が減少したこと、コミュニティにより溶け込めるようになったことなどから、マザー達の自己肯定感が上がり、人間関係にもプラスの影響をもたらしたことが分かりました。

 

生活面では、食事回数の増加や栄養改善が見られました。
下のグラフのように、”Eggs(卵)” “Meat/Offal(肉)” “Fish/Seafood(魚介類)”を食べた人数が増加しており、動物性タンパク質を摂取できる人が増えていることが分かります。

「昨日自分か家族の誰かが消費したもの」

ベースライン調査

エンドライン調査

最後に、子どもの教育に関しても、「教育費支払いが滞ったために学校から追い返され、通えていない」状態の子どもはゼロになり、反対に復学を果たした子どもが増加した他、学費の支払いを完了できたマザーの数が2倍になりました。

「今学期、授業料の支払いが遅れたために、子どもが学校から追い返されましたか?」

ベースライン調査

エンドライン調査

感謝、そして未来へ。

こうした発表を踏まえ、HE-RECORDSのスタッフの方々からコメントをいただきました。

カフェビジネスを通じて自信をつけたマザー達が、安定した食事を摂れるようになったことや子どもとの関係を向上させたことなど、彼女らの変化を実際に目にした喜びを語ってくれました。一方で、様々な工夫を施しているものの、完全に防ぐことが難しいドロップアウトの問題についても話してくれました。

さらに、PLASの理事の方々からも、HE-RECORDSに対する感謝の意をはじめ、

「PLASとHE-RECORDSが達成した成果に加え、その精神を称えたい」

や、HE-RECORDSの献身に敬意を表し、

今回の経験、成果を糧にドナーを活用して良いプロポーザル(提案)を作り、活動をしていってほしい」

といったメッセージが送られました。

 

CAFE4は、新型コロナウイルスパンデミックに見舞われたものの、緊急支援を追加で行うなど臨機応変に対応して困難を乗り越え、事業を継続させた経緯があります。

双方の団体の思いと強みを掛け合わせ、CAFE事業をやり遂げたその達成感と相互への感謝が、各々のコメントからひしひしと伝わってきました。

 

現地のパートナー団体との協働でこのような活動を行うことができているのも、日本の皆さまのあたたかいご支援のおかげです。

現在PLASでは、9月30日まで「みんなとつくる、アフリカの子どもの未来キャンペーン」を通じて、50名のマンスリーサポーターを募集しています。

継続的に活動を応援、支援してくださる方がいらっしゃいましたら、PLASのマンスリーサポーターをご検討いただけますと幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。