PLASの現地活動プロジェクト-新型コロナウイルス緊急支援現地レポート

数という記号の先にある、命と暮らしに想像をめぐらせる

PLAS事務局長の小島です。

大学時代にウガンダでPLASのボランティアとして活動し、帰国後は企業勤務を経てPLASにスタッフとして戻ってきました。

(ケニアのパートナー団体のスタッフたちと)

緊急支援にこめた想い

先月、国連アフリカ経済委員会(UNECA)は、アフリカで新型コロナウイルス感染により少なくとも30万人が死亡し、2900万人が極度の貧困に陥る恐れがあると発表しました。

こうした状況下でPLASが活動するウガンダとケニアでは、全土または主要都市のロックダウンを行っています。感染者数が抑えられる一方で、経済活動の制限によって食糧品・日用品が高騰し、インフォーマルセクターで働く人々は現金収入を得る道を絶たれています。

PLASの事業に参加するシングルマザーたちは、小さな子どもたちを抱えながら、カフェや農業といった小規模ビジネスの初期投資や研修を受け、自立をめざして奮闘してきました。

「貧しいHIV陽性のシングルマザーから、ビジネスウーマンになるのよ」

そこには、誇らしげに未来を語るママたちの笑顔がありました。

そんななかで起きた、世界的な新型コロナウィルスの感染拡大。

グループで集まる農業は休止せざるをえず、これまでお客さんで賑わっていたカフェには誰も来ない日が続いています。

「今日は子どもにおかゆ一杯しかあげられなかった」

「私たちのような貧しい人たちから死んでいく」

現地から届く声を聴いて、胸が締めつけられました。

私には、4歳と9歳の息子がいます。

もしも、子どもたちに1日おかゆ一杯しかあげられない暮らしが続いたら。

もしも、手持ちのお金が底をついてしまったら。家賃が払えなくなってしまったら。

そんなとき、もしも自分が熱を出したとしたら・・。

検査ができる病院まで車で片道2時間、往復の交通費1000円(ウガンダ・ケニアでは決して小さな金額ではありません)。

さまざまな「もしも」が現実に重なってしまった先には、立ちゆかなくなる暮らしだけでなく、失われていく命があるー。

「数千万という数の先にある、一人ひとりの暮らしと命を守りたい。」

アフリカ緊急支援にこめた私の想いです。

はじめての緊急支援

「日本も大変な状況の中、アフリカでの活動に支援が集まるのだろうか」

不安もありましたが、140人を超えるみなさんから165万円のご支援が集まり、地域で取り残された家庭に食糧や石けんの配布をはじめることができました。

本当にありがとうございます。

食糧や石けんを受けとったママたちからは、喜びと安堵の声が寄せられています。

(よかったら海外事業マネージャー三関のメッセージを読んでみてください。現地に寄り添ってきた彼女の文章から、ママたちの表情が目に浮かぶと思います。)

私がウガンダを訪れたときのこと。

3人のお子さんをひとりで育てる女性に「遠い日本から、私たちに心を寄せてくれてありがとう」と言葉をかけられたことがありました。

(ウガンダのカフェ事業で開業したシングルマザーのローズさんと)

誰かが自分のことを思ってくれている。

その事実が、困難な時にあっても「その先」に希望を届けてくれるのかもしれません。

クラウドファンディング終了まであと8日。

命を守るための食糧と手洗いを、ひとりでも多くのママと子どもたちに届けたい。

みなさんのご支援を、どうかお願いします。