PLASの現地活動

調査票に見るHIV/エイズに影響を受けるウガンダの若者【2】

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前回の記事につづき、もう一人、調査票の回答から紹介します。

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■調査票回答より(3人目)

A.基礎情報
保護者は祖母です。妹が二人います

B. 就学歴
学校には通っていますが、よく休みます。
成績があまりよくなく、留年もしてしまっています。

C.職務経歴
小学校の頃の夢は看護師でした。
現在は、鞄の製造で1か月あたりに145円の収入を得ています。
職業訓練を受けずに独学でその仕事をしています。

D.父親について
幼いころに父親は亡くなりました。

E.母親について
2歳の時、母親は亡くなりました。

F.保護者について
幼いころから祖母と暮らしています。
祖母は私を大切に育ててくれて、良い関係を築けているので大好きです。

G.子供時代の環境

【他者からのサポートの有無】
家族が政府やコミュニティから財政支援を受けていたかはわかりません。
宗教指導者(※注2)からは精神面でサポートを受けました

【HIVエイズによるスティグマ/差別の有無】
私のいるコミュニティではHIV陽性者やエイズ患者に対してスティグマ/差別があります。
実際に私も多くの言葉による差別を受けました。

H.本人自身について
10歳の頃の私の人生はつらかったっですが、今は少し改善の兆しがあります。
私に長所があるとは思いませんし、自分の希望を他人にうまく伝えることもできません。全てのことに自信がありません。

■現地パートナーのメモ
彼女は耳が不自由で、そのため学校に通い始めたのが10歳の時です。
それは学業にも影響し、また教員のケアも十分ではなかったため成績はあまりよくありませんでした。
HIV陽性であること・他の生徒よりも年齢が上であることから、学校で教員やクラスメイトから差別を受けています。
また、彼女はエイズ孤児であることを弊害に感じていません。というのも、彼女の両親がエイズによって亡くなったことを認められず、自然死したと考えているからです(※注3)。

(祖母からの証言)
彼女自身は認めたがっていませんが、母子感染によりHIVに感染したようです。
HIV治療は開始しましたが、彼女はまだHIV陽性であることを拒絶している面もあります。(Defensive Mode)

 

※注2
現地で信仰されているキリスト教や牧師は、住民の精神的な支えになっていることは少なくありません。
しかし、教会からの金銭的・物的な支援は限られています。

※注3
親が子供に対して病名を知らせないことによって、本人が感染を知らないことがあります。
また、親や自分自身の感染を認めない、周囲に言わないということもあります。

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いかがでしょうか。
これを読まれた方の中には、少しショックを受けられた方もいらっしゃるかもしれません。

私たちは、現地のパートナーと共にこのプロジェクトを通して、HIV/エイズと共に前向きに生きる彼らの姿を実現したいのです。

★このプロジェクトが成立して、彼らに未来を切り拓く力を届けられるよう、応援をよろしくお願いします!

エイズと共に生きる、ウガンダの若者の未来をつくる職業訓練を!
https://readyfor.jp/projects/uganda-plas