PLASの現地活動Positive Living現地レポート

HIV陽性でも前向きに生きる~パートナー団体ジョイさんインタビュー

インターンのケニア・ウガンダの出張レポート、今回はウガンダのパートナー団体「Kayunga Group(カユンガグループ)」の代表のジョイさんのインタビューです。

ウガンダ、ジンジャ県で活動するパートナー団体「カユンガ」のリーダー、ジョイさん。活動にまつわるストーリーを伺いました。

(写真:インタビューに答えるジョイさん)

 

 

HIV陽性のシングルマザーによる自助組織

活動を始めたきっかけは何でしたか。

活動をはじめたのは1999年です。自分がHIV陽性だと知ったことがきっかけでした。
夫をエイズで失った時に、父にHIV検査を勧めてられて、HIV陽性だとわかりました。
その後、父の紹介でHIV陽性の知人が住んでいるこのカユンガ村に引っ越しました。
それから、地域のメンバーとHIV陽性者の当事者グループを立ちあげました。はじめは農業支援を受けて、畑を耕し作物も栽培することから始めました。

現在の活動と取り組むことになった原点を教えてください

私たちは、HIV陽性者で子ども持つ保護者のメンバーから成り立っています。シングルマザーや、HIV/エイズで両親を失った子どもを支えるおばあさんたちです。シングルマザーの多くは教育も十分に受けられなかったため収入もなく、おばあさんたちは高齢のために保護している孤児を十分に支えることが難しいのです。それを解決するために、共同で野菜の栽培、養鶏などを通して彼らの生活を支える活動をしております。

活動の原点は、自分がHIV陽性であることを知る前から、地元の恵まれない人などの支援グループのメンバーとして活動していたことです。私が参加する前には、兄がメンバーの一員で人助けの活動をしていて、自分も人助けをしたいと思い、メンバーになりました。そこでは畑でキャッサバの栽培をしていました。HIV陽性だとわかり、そのグループをやめるまでは、私はリーダーとしてグループをまとめる仕事をしておりました。そこでの経験が今のカユンガグループでも役に立っていますね。

PLASとの出会い

PLASとの活動の中で一番印象に残っていることは何ですか。

PLASとカユンガグループの一番初めの出会いです。
2011年にPLASの理事である大島陸さんが来たのをよく覚えています。その時、PLASとは養事業を行いました。鶏舎を立てるとき、大島さんは建設現場の監督をしていて、建設が終わった後、ヒナが運ばれてきて、ニワトリの育て方を受益者に教えてくれました。そのとき、受益者のメンバーたちは熱心に育て方を教わりました。こうして、今もプラスとの関係が続いているのはとてもうれしいです。

 

(写真:PLASによって建てられたカユンガグループの鶏舎

活動から18年、子どもたちが十分に教育を受けられる未来を

これまでの18年を振り返り、地域にどのような良い変化がみられますか。HIV/エイズに対する周りの人の理解、そして陽性者たち自身が大きく変わったと思いますね。
昔はHIV/エイズに理解もなく、90年代半ばにはウイッチドクター(呪術医)に治療を求めに行くものもいたのを覚えています。陽性者は差別をうけ、近寄ることさえ避ける人もいました。そのため治療薬が家にバイクで配達されることも、陽性者とわかってしまうため嫌がる人もいましたね。
また、陽性者たちは、自分に自信もなく、HIV陽性であることに非常に悲観的であったメンバーも多くいました。例えば、どうせすぐ死んでしまうのだからと言って、積極的に活動できない人もいました。しかし、今ではHIV/エイズに対する理解も深まり、差別は以前と比べて随分と減りました。また、陽性者は治療を正しくすれば陽性であっても健康に生活できるため、悲観的になることも少なくなりました。HIV陽性であっても他の人と変わらずに明るく生活できることは、私たちのグループのメンバーを見れば明らかですね。
また、野菜や果物の栽培事業を通じて、シングルマザー達は以前と比べて、子どもをより良く支えることができるようになりました。例えば、これまで一日に一回しか与えられていなかった食事も、今では一日2,3回与えることができます。そして、子どもを学校に送ることができ、本なども買い与えることができるようになりました。自分たちが活動することで、10年後にどのような地域を実現していたいですか

10年後には、より多くの子どもたちが、できるだけより良い教育を受けられたら良いと思います。私たちのグループには6人に1人ほどしか中等教育を修了できたものがいません。より良い教育を受けて、子どもたちが少なくとも中等教育、できれば大学などの高等教育を受けられたら良いです。そうすれば、彼らが大人になって家庭を持っても、十分な収入や教育のおかげで子どもを健全に育てることができるでしょう。

(写真:カユンガグループジョイさん)

 

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