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【特集】「自分で決めるからポジティブでいられる」 COTS COTS LTD.・清水政宏さんインタビュー(2/2)

5月19日に東京で開催されるPLASチャリティーパーティーのゲストで、東京の投資会社とウガンダの会社「COTS COTS LTD.」、二つの仕事に奔走されている清水政宏さんへのインタビュー。
働き方の様子やウガンダと関わるきっかけをお聞かせいただいた前半に続き、後半ではウガンダでの開発事業の詳細や、活動に込めた思いを伺いました。
インタビュー前編はこちら

ウガンダ人スタッフらに「ビジネスにはチャンスがある」と感じてほしい

『「COTS COTS LIMITED」は、日本とウガンダのつながりを事業の核として、現地で日本料理店「YAMASEN」や商業施設「Tank Hill Park」を運営したり、農作物の流通に携わられたりしていると伺いました。事業について詳しく伺えますか?』

Tank Hill Parkは約3,000㎡の敷地を持つ商業施設で、その中に弊社が運営する日本料理店「YAMASEN Japanese Resaurant」を筆頭にカフェや複数のショップが入ります。COTS COTS LIMITEDはYAMASENの運営と同時に、Tank Hill Park全体のテナントマネジメントや施設管理などを担います。この不動産開発ノウハウをほかにも応用して、将来的にはゲームの「シムシティ」のようにウガンダの街づくりにも関わっていきたいと思います。
施設の場所は首都カンパラですが、都心からは少し離れていて、大使館やNGOの事務所があって。東京に住んでいる方には、広尾(東京都港区)をイメージしていただきたいです。僕は「カンパラの広尾」と呼んでいます。
同時に農産物の流通業や途上国開発コンサル事業も営んでいます。

 

さらに現在食料品のバリューチェーン構築も行っています。ウガンダは内陸国なので隣国であるケニアからも海産物を輸入する必要があります。この流通は誰もやっていないので弊社で作ってしまおうと思っています。これは日本の衛生用品メーカーと連携して技術提供を受け、日本の農林水産省との協働事業として取り組んでいます。

提供される予定のメニュー試作品
提供される予定のメニュー試作品

 

『投資会社やヘッジファンドで働いてこられた清水さんが、こういった形でウガンダに関わるに当たって、大切にされていることはありますか?』

元々、ビジネスを通してウガンダに関わりたいと思った理由に、「現地にインパクトを与えたい」という思いがありました。商業施設も物流も、経済活動として根付けば、本質的にウガンダの発展に寄与できると考えています。

その中で、「COTS COTS LIMITED」で働くウガンダ人スタッフらに、「ビジネスにはチャンスがある」と感じてほしい。たとえば「自分も頑張れば、レストランのマネージャーになれるかもしれない」と。「自分にはこの国では可能性がない」と諦める壁を壊せるようにしたいです。

 

 

「自分で生き方を決めるからこそ、ポジティブでいられるのかな」

『清水さんは東京で財務計画や資金調達を主に担当されていらっしゃいますが、現地に飛びたいなあと思うことはありますか?

それも面白いと思いますが、私がどうしたいという希望よりも事業が大きくなるために必要なことを考えると、東京に意思決定に関与する人間がいたほうがよいと思うので、しばらくは日本にいます。

現場に立つと「意思決定がやりにくい局面」があるんですよ。現場では、現地スタッフに感情移入したり、現地のペース合わせざるをえなかったりして、物事を決めるのが難しくなることもある。だから東京から俯瞰した視点を入れた方が、事業を前進させることができます。

現地の正社員になったホールスタッフたち
現地の正社員になったホールスタッフたち

 

『最後に、PLASという団体の名前がPositive Living through AIDS orphan Supportの略であることに掛けて、清水さんにとっての「Positive Living(前向きに生きる・前向きな生き方)」とは何か、をお聞かせいただけますか?』

自分で意思決定する、自分で生き方を決めるからこそ、ポジティブでいられるのかなと感じています。僕も昼は投資会社に勤務、帰宅後は「COTS COTS LIMITED」という働き方ですが、全くしんどくないというか、楽しい。それは自分で決めているからなんですね。

加えて、「みんなでやる」というのも大切。矛盾するようですけど、「COTS COTS LIMITED」はそれぞれが自分の意思で選んでここにいると思います。

 

『それは「COTS COTS LIMITED」の事業を通して、現地の人たちに「チャンスがあると感じてほしい」という思いに通じている気がします』

そうですね。みんな何かしらのチャンスはそれぞれあるはず。それを自分で決められるようにできたらいいですよね。

 

【インタビュアー後記】

終了直後、「また話しましょう」とお誘いしてくださるほど、清水さんは心の窓をオープンにして接してくださいました。だからこそ、チャンスを引き込んで、新たな世界に踏み出していける。学びの多い時間でした。(PLASボランティアスタッフ 川嶋大介)

 

5月19日(土)に東京で開催されるPLASのチャリティーパーティーで、清水さんにはトークセッションにご登壇いただきます!

清水政宏さんプロフィール

COTS COTS LTD. 共同代表

1981年生まれ。京都大学経済学部卒業後、外資系証券会社、海外ヘッジファンドを経て2015年にCOTS COTS LTD.を共同で創業。
現在は東京の投資会社に勤務しながらCOTS COTSの共同代表として資金調達、事業計画策定、省庁対応などに従事している。
ウガンダとの関わりは勤めていたファンドが 2014年に 解散してしばらく時間ができた際に、後に共同創業者となる大学の後輩を訪ねたところから始まり、そこで出会ったメンバーと翌2015年に会社を設立。農業部門と開発コンサル部門を稼働させつつ準備を進め、2018年5月末に日本料理店やま仙と商業施設Tank hill Parkがオープンする。

 

COTS COTS LTD. ホームページ  https://cotscots.jp/