現地レポート

ケニアレポート -自立して住民が活動をつづける、母子感染予防事業のその後(1)ー

2008年11月~2014年9月に実施した母子感染予防事業のモニタリングを行いました。

West Ugenya地区でのモニタリングの様子

母子感染予防事業とは?

母子感染予防事業とは、地域の住民や妊産婦に対して、HIVの母子感染の予防方法について知らせ、妊婦検診の受診や施設分娩を促すものです。
そのなかで、HIV検査を受け、陽性だった場合は、母子感染予防プログラムを受けることになります。

支援対象地域の人口は約6万人。この地域は、ケニアの中でもHIV感染率が非常に高く、ケニア全体でHIV感染率が約8.3%なのに比べて、この県はなんと38.4%。
この地域では、およそ二人に一人の妊産婦が、病院に来て初めて母子感染について知るという現状があり、母子感染自体を知らない人が多いことが指摘されていました。

そこでプラスは、地域のリーダーに対して、HIV/エイズや母子感染予防についての研修を行い50名の啓発リーダーを育成しました。
啓発リーダーたちは、4、5名程度のグループを組み、地域で妊娠適齢期のカップルや夫婦、住民らに対して、啓発活動を実施。
事業終了までに、のべ3万人近くの住民に啓発活動を提供してきました。

エイズの正しい知識は定着しているのか?

事業終了後、2年が経過。

モニタリングのための会合は、啓発リーダーが活動する各地区へ赴き、実施。
27人の啓発リーダーが参加してくれました。

啓発リーダーにとって大切なこと、それは、1)正しい知識を持ち続けていること、
そして、2)住民へ適切なコミュニケーションやファシリテーションができることの2点です。

知識については、事業実施中、また昨年も、同じ内容の知識を問うテストを実施しました。
全体平均で2015年の9.47点からさらに向上して、今回は9.63点。

しっかりと啓発リーダーの知識が定着していることがわかりました。

大自然の中で、テストを受ける

啓発活動はつづけられているのか?

一方、活動の継続についてはどうでしょうか?
ほとんどの地区で活動を継続していまたが、必ずしも事業実施中に組んだグループで活動している訳ではなく、そのときどきで個人で行くこともあれば、グループとして行く場合もあるとのことでした。

これは啓発リーダー同士の地理的な問題もあれば、啓発対象となるグループとの地理的問題や、交通費提供の有無が関わっています。
また事業実施時には啓発活動を提供できなかった新しい地域団体やグループにも啓発活動を実施していることがわかりました。

啓発リーダーたち その1

さらに、うれしい変化も。
以前に啓発活動を実施したグループから、他のメンバーに対しても啓発を実施してほしいという要請があり、活動を行うこともありました。また、政治集会や地域の集会(葬式や結婚式を含む)の前後に啓発活動のチャンスがあることも。

啓発リーダーたち その2

そのほかにも、以下の3つのような変化も出てきました。
・地域保健ボランティアとして行政と連携して活動する啓発リーダーが出てきたり、他のNGOのコミュニティ活動に保健ボランティアとして招かれる啓発リーダーも出てきました。
・ある地区の啓発リーダーはは、啓発活動に対して、地域住民から感謝されており、地域から感謝のしるしに洋服と現金が贈られた。
・啓発リーダーに研修を提供していた講師に、啓発リーダーが連絡し、マニュアルの内容の確認や質問があったりと、事業終了後も、自己研さんを繰り返し、努力して知識を得ようとしている姿が垣間見えました。

啓発リーダーたち その3

一方で、啓発リーダーたちは、交通費をどう工面するかという課題を抱えていました。事業によって交通費等が賄われていると考えている地域住民もおり、そのため交通費を啓発リーダーが持ち出しで活動せざるを得ないケースもありました。

次回は啓発リーダーが感じた地域の変化、また準区長さんが感じた地域の変化について、お伝えします!

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