PLASの現地活動現地レポート

ウガンダレポート|どちらが成功しやすい?お肉になるニワトリ、卵をとるニワトリの選び方

PLASが支援する、カユンガグループはウガンダでHIVとエイズに影響を受ける住民や子どもたちを支援しています。

2013年より共同で養鶏事業をスタートさせ、カユンガグループのメインビジネスとして収益を上げています。
その収益は、どう使われているかというと、地域の子どもたち50名の学費支援として使われています。

養鶏ビジネス成功の秘訣とは?

養鶏事業をうまくいかせるために、大切なことは何でしょうか?
その一つは、育てるニワトリの種類を、きちんと選ぶことです。

では、「きちんと選ぶ」とは?
そう、それは、リスクが少なく、収益性の高いニワトリを選ぶことなのです。

みなさんは、ニワトリが、卵を生産するのに適した鶏と、お肉にするのに適した鶏肉用の鶏と、2種類あるのをご存知でしょうか。
さて、どちらを育てると、いいのでしょうか?


2015年6月に飼育を始めた、卵生産に適したヒナ

どちらが成功しやすい?お肉になるニワトリ、卵をとるニワトリの選び方

カユンガグループとPLASが3年間の試行錯誤を経て、出した結論は...

実は、卵用、肉用のニワトリを両方育てることが、大切なのです。

卵の販売については、鶏肉用の鶏よりも生産性が高く、また長期的に見たときにエサ代等の費用が安く済みます。
一方で、鶏肉用の鶏ではエサ代がかかるため長期的に飼育することには向いていませんが、クリスマスなどには、高く売ることができるのです!

そのため、今では肉用と卵用の違う種類のニワトリを並行して飼育し、飼育タイミングも調整しています。


2015年6月にヒナだったニワトリは、10月にはここまで成長していました

カユンガグループでは以前から鶏肉用の鶏を育てており、卵は売りに出していました。
昨年6月からは、より安定して卵の販売ができるように鶏卵用の鶏も育てることにしたのです。

卵の収穫は毎日!

ちょうど訪問の際には、卵を一つ一つ、収穫していました。
鶏が卵をつついて食べてしまうこともあるそうです。
つつかれる前に収穫するために、決まった時間に収穫するようにしています。
打ち合わせの途中に、収穫の時間が来てしまい、「今から収穫するよ!」と意気揚々と収穫を始めていました!


卵を収穫するカユンガグループのジョイさん(2016年4月)

経験的に学習することで、自分たちの知恵、知識として定着していく

2013年から始まった私たちの支援。
これまでに、鶏を育てるための、鶏舎の建設をし、また、上手に育てていくための養鶏研修などを実施してきました。
その後、PLASの手を離れた後も、カユンガグループは自ら試行錯誤を繰り返し、事業の理想的な形を見出そうとしています。

現地の人々に新たな知識や技術を伝えていくことはとても難しいことです。しかし、カユンガグループのように自身の経験から学んだものは確実に実行され、定着していくと考えられます。


いつも楽しそうに話すカユンガグループのジョイさん(左)とジュリエットさん(右)

こうした支援事業では、事業内で全ての解決策を得ようとしてしまいますが、事業ではきっかけを提供し、そのきっかけを元に、現地の人々が自分たちの力で状況を改善していくという形も可能なのだと気づかされます。

今月には鶏肉用の鶏のヒナを飼育し始めるそうで、12月のクリスマスシーズンの販売を目指しているそうです!

(文責:巣内)