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【Weekly News/2007-07-01】ケニア:病棟しかしらないエイズ孤児

9歳のヨブ君が知っている「家」は病院だけ。
2年間変わらない遊び友達も病院周辺に住む子どもたちだ。

彼が栄養失調で病院に入院したのは2005年8月。
両親をエイズで失っていた彼には治療費を支払えないだけでなく、連絡先となる家も、彼を引き取る親戚もいなかった。
HIV感染が分かったのもこの時だった。
2年前、栄養失調でノミにたかられていたヨブ君を入院させた。
幾度も病に侵される彼に同情し、親戚が彼を引き取ることに躊躇していたこともあって病院が彼を受け入れることになった。
精密検査の結果が出てないので、まだヨブ君への抗レトロウィルス薬の投与は始まっていない。
これまでは食事やビタミンの摂取によって体調を維持してきたが、状態が好転する兆しは見えない。

病院は、検査結果が出る数週間以内に薬の投与を検討するとしている。
ヨブ君の衣服はキスム・インターナショナル・スクールの学生たちが先日彼を訪れたときに寄付したものだという。
友だちと遊べる学校に通いたい思いが強いヨブ君だが、通学もまばらになってしまっていたために、今では学校にも行けなくなってしまった。

なぜ自分が病院にいるのかまだ理解しきれていない彼だが、勉学に対する意欲は高く、将来は指導者になることを希望している。
病院は、陽気なヨブ君の日常をより自然に近いものにするため、彼の友だちが病棟に入って遊ぶことも許可している。
明るい性格のヨブ君と遊ぶ友達がいる一方、ヨブ君がHIVに感染していると知るやいなや、病院周辺に住む親の一部は子どもを彼から遠ざけた。
ヨブ君にとって、いつもガラガラと邪魔をする頭痛が悩みの種。
彼を苦しめる皮膚病も認識しているだろう。だが、何がこれらを引き起こしているかは理解できていない。

しかし、ヨブ君の溢れんばかりの笑みは病院周辺に住むHIV感染者や入院患者の希望となっている。
同時に、その笑みは若い時期に両親を失い、
苦しみを理解していないエイズ孤児の象徴でもある。

原題:Young Aids Orphan At Home in Hospital Ward
日付: 03 July 2007
出典: allafrica.com

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