PLASの現地活動ウガンダプロジェクト-PATH+プロジェクト-新型コロナウイルス緊急支援現地レポート

ウガンダレポート|「助かった」食糧支援を受けた方々の声③

2020年4月から3回に渡って行われた新型コロナウイルス対策の緊急食糧支援を受けた方々の生の声をお届けするこちらのシリーズ。今回はPLASのプロジェクトの1つであるPATH+にも参加しているカスンバ・ジョージさんのインタビューをご紹介します。

>> 「助かった」食糧支援を受けた方々の声①はこちら

>> 「助かった」食糧支援を受けた方々の声②はこちら

HIVとともに生きるカスンバ・ジョージさん

HIV陽性者のアドヒアランス向上支援(PATH+)に参加している青年です。セミュング村のHIV陽性者グループに所属しています。年齢は19歳ですが、まだ学年は小学6年生です。サッカーや読書が好きで、よく辞書を読んでいるそうです。

(写真)右. ジョージさん、左. 海外事業担当スタッフ・山口

ジョージさんの生活は、COVID-19が拡大する以前からとても厳しいものでした。

両親は小さい頃にどちらも他界しており、お兄さんと一緒に暮らしていました。お兄さんはバイクタクシーの運転手をしていましたが、帰宅するのが遅く、ジョージさんはほとんど家で独りぼっち。

生活は苦しく、食べ物や生活に必要なものを充分に得ることができず、HIVの影響で体が弱いと言います。教育費を払えなかったため、学校には通えなくなってしまいました。

現在はセミュング村に移り、地域ボランティアが保護者となり、その家族8人と一緒に生活しています。

ジョージさんはHIVに感染しており、治療薬(ARV)を毎日同じ時間に飲む必要があります。しかし、お兄さんと暮らしていたときは薬を適切なタイミングで飲むことができず、病気の進行がすすみ、体調が悪化してしまいました。

「食糧支援で人生が変わった」

新型コロナウイルスによって生活状況は悪化しました。一緒に住んでいるボランティア家族の収入がロックダウンによって途絶え、食糧が手に入らなくなってしまいました。空腹時に薬を服薬するとめまいがしてしまうため薬を充分に服用することもできず、ジョージさんの体調は非常に悪くなってしまいました。

PLASの緊急支援が最初に行われた5月、現地パートナーが見たジョージさんはボロボロの服を着ており、空腹から真っすぐ歩くことができず、がくがくと震えていて危険な状態でした。

そうした中、緊急支援のおかげで食べるものを手に入れることができ、体調は少しずつ回復していきました。

「支援をもらったとき、とてもうれしかったです。なかでももらえてうれしかったのは、粉ミルクと米でした。」

 

(写真)配布の様子

少しずつ生活状況は向上しているが…

ボランティア家族8人と生活しているため、配布された食糧はすぐになくなってしまいました。また、今の保護者が畑での作業を続けることができなくなってしまい、手に入る食糧も少なくなってしまいました。現在ジョージさんは食糧を買うため、街で燃料を売っています。

緊急食糧支援によって食べるものを手に入れることができ、燃料の販売によってお金も入るようになったため生活状況は向上しましたが、未だに学校には通えていません。

ジョージさんの保護者は彼を車やバイクの整備士にするための学校に通わせたいと思っていますが、そのための資金は依然として手元にありません。

日本の支援者のみなさんにメッセージ

「PLASがヒーレコーズを通じて配布した食糧にとても感謝しています。食糧支援は、ぼくと、ぼくがもらった食糧の恩恵を受けることのできた家族の人生を変えてくれました」

こう話してくれたジョージさん。

食糧支援で危機的な状況を乗り越えることはできましたが、まだまだ状況は厳しいです。PLASとしてもこの地域でできることを引き続き模索し、活動をつづけていきます。

 

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