PLASの現地活動ケニアプロジェクト-HOPE現地レポート

海外事業マネジャーがHOPEに寄せる想い -藤原祐希編-

PLASが2022年3月より新たに開始したHOPE(Household Improvement for Orphans by Poultry Activity and Career Empowerment Support)。HOPE事業では、養鶏による生計向上と子どもと保護者へのカウンセリングにより、小学生の子どもを抱えるケニアの貧困家庭の自立支援と子どもたちの継続的な教育機会を獲得することをねらいとしています。

PLASでは、このHOPE事業においてクラウドファンディングを実施しており、7/22 12:00現在、9人の方より235,000円の支援をいただいております!ありがとうございます。引き続き、目標金額1,500,000円にむけて頑張ってまいります。ご協力をお願いいたします。

本日は海外事業担当の藤原がHOPEに寄せる思いを紹介いたします。

 

 

HOPE受益者たちの困難

PLASの事業地、ケニア共和国ホマベイ郡ビタ準区について紹介させてください。ビタはアフリカ大陸最大の湖、ビクトリア湖畔にあります。昔から魚を生活の糧にしていたルオ族が多く暮らすこの地域では、HIV感染率が25.3%とケニア国内平均の4.9%の5倍を超えています

HOPE参加者家庭もHIVに影響を受けている家庭がほぼすべてを占めます。親がHIV陽性であったり、母子感染して参加者の子どももHIV陽性であったり、実親がエイズ関連死であったりと様々です。

 

HIV陽性の場合、エイズは発症していませんが、抗HIV薬を毎日決まった時間に摂る必要があります。決まった時間に薬を飲めなかったり、そもそも薬を調達できずに飲めなかったりするとHIVウイルスが体内で増殖し、エイズ発症前であっても徐々に体の免疫力が失われていきます。不安定な体調のなか、年収2万円ほどで自給自足に近い生活をしています。

 

その中で子どもたちを学校へ行かせ続けるのは、大変なことです。ケニアでは教育費無償がうたわれていますが、実際には学期ごとに制服代(小学校も制服が主です)、教科書代、ノートや鉛筆代などがかかり、これらは家計にとって大きな負担です。

ある日、調査で伺ったお家のお母さんは

「息子のノートと教科書を買うのに、先週最後の鶏を売りました。」

と言っていました。

今は薪を集めてきて一抱え20円で売り、なんとかその日暮らしをしています。鶏はすべて売ってしまいましたから、この先まとまったお金を得る手段はほぼありません。

子どもたちは家の事情をよく分かっています。学校に行き続けるのは難しく、将来の夢をみる余裕はありません。

 

HOPE事業で期待できること

HOPE事業では主に2つの変化が期待できます。

1つは、養鶏によるおうちの生計向上。生計向上することで、今は3食まかなえない食事に回したり、教育費を遅れずに払い、子どもたちが学校を続けられることにつながります。

2つめは、お母さんと子どものメンタル面での変化。親と子ども、それぞれ7回、一対一でカウンセリングを行い、ライフプランニングのサポートをします。

例えば、親には教育の必要性や子どもとのコミュニケーションの取り方を教えるプログラムが用意されています。また子どもの進学準備や、貯蓄についてもサポートします。

子どもたちには、さまざまな職業についている地域の大人の話を聞くキャリアトークへの参加、宿題のやり方、将来の夢の持ち方といった、今からできる将来にむけての準備を教えます。他にもさまざまなプログラムが用意されています。

 

鶏の需要はあります。ケニアでは一番高級で特別なお肉は鶏肉であり、牛肉や豚肉、魚よりも高いのです。必要なのは、研修やサポートを受けての養鶏を養鶏で終わらせず、おうちに持続的な変化をもたらすこと。そして子どもたちが自分で夢を持って良いのだと理解し、それをあきらめずに達成へ進んでゆけることです。

 

HOPE(望み、希望)という事業名に、ケニアのお母さんと子どもたちが先への希望を見いだせるようになること、日本のみなさまからのその希望の後押しを乗せ、事業を実施していきます。

 

ぜひこの事業を成功させ、ケニアのお母さんと子どもたちが未来を描けるよう、クラウドファンディングにご協力をお願いいたします。