国内の活動

PLAS中期計画合宿レポート:これからの3年、5年、10年に向けて

4月7日~8日の2日間にかけて、PLASの新しい中期計画を策定するための合宿を実施しました。

 

 

 

合宿の目的

合宿の目的は2つ。

 

1つ目は、新たな中期計画(2022年10月~2025年9月)を策定するために、

 

(1)世界やアフリカの潮流や社会課題を見極めて、

(2)PLASのあり方向性と

(3)事業ドメイン・財務・組織の在り方について議論し、深めること。

 

2つ目は、メンバーの相互理解。

リモートワークが続いて3年目となり、中には一度も対面で会ったことがないメンバーもいます。

これまでオンラインメインだった関係性をオフラインで再構築し、関係性の質を向上させることを目的としました。

 

 

 

Day1 メンバーの相互理解と組織の今を見つめる

1日目は、システムコーチング(※1)の手法を用いて、メンバーの相互理解や、組織の今の状態を見つめ直すワークをしました。

 

ご協力いただいたのは、長浜洋二さん(モジョコンサルティング株式会社) と深町英樹さん(一般社団法人GEMSTONE 代表 / ビジネスプロデューサー・経営コーチ) のお二人です。

 

まずは、自己紹介のあと、「PLASの年表づくり」からスタート。

創業期から携わっている代表の門田と、事務局長の小島の二人が「あのときこうだったね」「この頃に〇〇さんが参加してくれたね」「XX年に〇〇事業をスタートして、こんなことが大変だった」などを話しながら、年表を書いていきます。

 

 

他のメンバーは、年表を見ながら聞いてみたいことや、気になったことを言葉にしていきます。

新しく参画したスタッフからは、

設立間もない頃の話を聞けるのは貴重な機会。こういう人たちが、こんな風に関わっていたんだと知ることができた」という声も。

 

ランチ休憩をはさみ、午後は、「エッジモデル」ワークに取り組みました。

 

まずは、それぞれのメンバーからみた「組織の今の状態(一次の世界)」を言葉やジェスチャー/ポーズで表します。

(写真:たくさん取り組むべきタスクがあり、バランスを何とか保っている状態)

 

そして、「一次の世界を超えて、これから見たい状態(二次の世界)」を表現。付箋にも書き出していきます。

 

「新しいチャレンジを楽しんでいる」「事業地・国が増えている」「財務基盤が整っている」「時代に合わせたビジョンを描く」「人も組織も成長する」など、たくさん出されました。

 

 

その上で、一次から二次に行くために障壁(エッジ)を書き出していきます。

「comfortable zoneから抜け出せない」「やることがたくさん」「確約されていない事への不安・心配」などを書き出していきました。

 

最後のワークは、「ロールプレイ」

PLASが関わる重要なステークホルダー(関係者)になり切って、即興で演じます。

その役になったときに、どのような内面の声が出てくるのか、それに対して、私たちはどう反応し、何を感じるのかを見つめていきました。

 

最後に、全員でチェックアウト。

Day1で感じたことを、自分の言葉で伝え合いました。

 

 

Day2 中期計画の骨子づくり

2日目は、中期計画の骨子をつくります。

この日は、あえてファシリテーターなし、詳細なタイムスケジュールもなし。

1日目で形成されたお互いへの理解や信頼を土壌に、全員で議論の舵取りをします。

 

まずは、「PLASがこれから取り組む課題を考える前に、メンバーそれぞれが関心を持っている社会課題を書き出す」ワーク(※2)をしました。

 

このワークの意図には、メンバーがモチベーションを持っている身近な課題と、私たちが取り組むアフリカの課題とに関連・類似性を見つけることで、PLASの活動に熱量や持続性が生まれる、という考えがありました。

(写真:それぞれが重要だと考えている社会課題をポストイットに列挙)

 

午後は、 出された課題を踏まえて、これからの世界でPLASが進む方向性を議論しました。

 

VUCA(※3)と呼ばれる不確実性・複雑性が高い世界情勢のなかで、

 

・どのような課題に、どう取り組んでいくのか?

・現在の事業をどう収束させていくか?

・新たな事業地・国に展開していくか?チャレンジするならどこ?

・財務基盤はどのくらいを目指すのか?どうやって実現するか?

・PLASらしい活動の在り方とは?みんなはどう関わっていきたい?

 

・・・など、たっぷり5時間近く議論と対話をつづけるなかで、これらの問いにも方向性を見出すことができました。

 

2日間の合宿を終えて、最後はひとりずつチェックアウト。

 

「”エッジ”を越えることができた2日間だった」

「自分にできるのか不安もあるけれど、これからの進む道にワクワクする」

「これから新しい事業ドメイン、新しい事業国に飛び込んでいく。そのための力になりたいし、頼ってほしい」

「これまでリモートでなかなか会えなかったけれど、一緒に過ごすなかで自分にとってコミュニティだと感じた」

 

など、さまざまな声があがりました。

 

これまでエイズ孤児に特化して活動してきたPLASが、ビジョン・ミッションを新たに「取り残された子どもたちが前向きに生きられる社会」を目指すようになって3年。

 

これから新しい中期計画をつくり実行していくなかで、みなさんと一緒にネクストステージに挑戦していくことが楽しみです!

 


(※1)システムコーチングとは、2人以上の関係性を、1つのシステムとみなし、その課題解決・目標達成に向けて、「関係性」をコーチングする組織開発の手法です。

システム=「お互いが相互に影響を与えあっている関係性」のことを指します。

 

(※2)スタンフォード・イノベーション・レビューの書籍『ソーシャルイノベーションの始め方』より「遠い問題・近い問題: データで見る日本人の社会意識と行動」をベースにしました。https://ssir-j.org/hakuhodo_sdgs_project/

 

(※3)VUCAは「Volatility(ボラティリティ:変動性)」「Uncertainty(アンサートゥンティ:不確実性)」「Complexity(コムプレクシティ:複雑性)」「Ambiguity(アムビギュイティ:曖昧性)」の頭文字を並べたもの。