PLASの現地活動お知らせ現地レポート

[8/12更新]新型コロナウイルスの感染拡大に伴う事業の影響に関して

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が拡大していることを受けて、PLASでは、4月より<新型コロナウイルス>アフリカ緊急支援 「生きる」ために食糧と手洗いを届けたいを始めました。多くの方にご支援頂き、ウガンダ・ケニアにいる子どもとその家族に食糧と石鹸を届けることができました。ありがとうございます。

世界的に新型コロナウィルス感染が拡大する中で、アフリカにおいても感染が拡大し、多くの人の生活に影響が出ています。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う事業の影響に関して最新の情報をご報告いたします。

新型コロナウイルスの感染状況と生活への影響

感染状況

ケニアの感染数:26,928名、死亡数:423名(2020年8月11日時点、WHO発表)

ウガンダの感染数:1,297名、死亡数:9名(2020年8月11日時点、WHO発表)

 

新型コロナウイルスの生活への影響

2020年7月上旬に東アフリカ各国で規制の緩和が行われました。ケニアでは首都・ナイロビを中心とした一部ロックダウンが解除され、ウガンダでも交通機関(ミニバスやバイクタクシー)を使った移動できるようになりました。

また、ロックダウン・規制の緩和により、ウガンダ・ケニアでは新型コロナウイルスの感染者の増加が確認されており、わたしたちが支援する子どもたちの通う学校も含めて、すべての学校が閉鎖されています。
ロックダウンは緩和されたものの、生活の影響は、以下のようなものがあります。

  • 小売りの仕事が出来ず、収入がなくなる
  • 移動の制限(田舎や実家に帰れない)
  • 食糧の値段高騰(野菜が1.5倍~2倍になっているものも)
  • 交通手段の値段高騰(搭乗数に制限があり、倍額)
  • 子どもが学校に通えない
  • 新型コロナウイルス感染症に対する正しい知識が得られない

 

現地パートナーNGOと行う事業実施にも一部影響が出ており、事業が中断、遅延しています。現在、海外事業マネージャーは日本に帰国しており、PLAS職員は現地におりません。

事業の中断や遅れは、わたしたちPLASにとっても、そして何より受益者の方々にとっても苦しく悔しいことです。ですが、受益者や現地団体スタッフ、そして活動している地域社会の安全と安心を最優先し、事業を臨機応変に継続していきます。

 

現時点での各事業の状況と、同事業の受益者への緊急支援の実施状況は下記のようになっています。

ウガンダ事業への影響

HIV陽性者のアドヒアランス向上支援(PATH+事業)

<事業の状況>

2020年4月より本事業の3年目を開始する予定でしたが、2020年3月末より、パートナー団体「マルチパーパス」が事務所を閉鎖していため、開始できておりませんでしたが、7月より事務所を再開することとなりました。そのため、8月からの活動を再開する見込みです。

<緊急支援の状況>

6月に、HIV陽性者4グループ140名に食糧と石鹸の配布いたしました。

 

HIV陽性シングルマザーのカフェ収入向上を通じたエイズ孤児支援事業(CAFE事業)

<事業の状況>

HIV陽性のシングルマザーにより運営されるカフェは飲食店であり、政府からの営業停止命令は出ていません。しかし、カフェへの客足が途絶えており、一部のカフェは休業しています。

<緊急支援の状況>

5月、カフェを運営しているシングルマザー14世帯に食糧と石鹸を配布しました。8月に追加の食糧と石鹸の配布を予定しています。

また緊急支援の一環として、緊急支援食糧パッケージにドーナツを入れることにしました。カフェの営業に少しでも貢献できるよう、またHIV陽性のシングルマザーたちが誇りをもって仕事を続けることができるよう、当会から各カフェへドーナツの発注を行いました。

 

 

HIV陽性ユースに対する生活向上のための技術訓練事業(BRIGHT事業)

<事業の状況>

HIV陽性ユースはグループでヘアドレッシングとスナック販売を中心としたビジネスを始めていましたが、政府からの営業停止命令により、3月末から7月上旬まで店舗を開くことができませんでした。7月上旬より、主なビジネスであるヘアドレッシングのサービスが提供が許可されたため、一部のサイトでビジネスを再開しました。しかし、客足が途絶えており、ビジネスを継続するのがかなり難しい状況です。

また、当会から店舗の家賃支援を行っています。

<緊急支援の状況>

5月に、HIV陽性ユース33世帯に食糧と石鹸を配布しました。8月に追加の食糧と石鹸の配布を予定しています。

 

HIV陽性者家庭の生計向上・栄養改善のための在来種野菜栽培支援(SHINE事業)

<事業の状況>

HIV陽性グループによる農業活動は、全5サイトで実施できるようになりました。3~5月の雨季を利用して在来野菜を植え、収獲ができています。受益者が集まりグループで貯蓄するため等の集会を自粛しています。

<緊急支援の状況>

6月に、HIV陽性者50世帯に食糧と石鹸を配布しました。

ケニア事業への影響

持続可能な生計のためのシングル家庭の農業強化事業(FRESH事業)

<事業の状況>

各家庭での農業活動は続いており、通常時よりは回数を減らして、現地スタッフによる月に1度の家庭訪問を続けています。ただし、状況により、家庭訪問が中止となる可能性があります。

<緊急支援の状況>

4月、脆弱な環境にある90家庭に食糧と石鹸を配布しました。また、14箇所の村長事務所に手洗い場を設置して、啓発活動を行っています。8月に、2回目の食糧と石鹸を配布しました。

 

エイズ孤児を抱える貧困家庭の生計向上とキャリアプランニング支援事業(JICA草の根技術協力事業)

海外事業マネージャーが現地へ渡航できないため、事業により支援をする人たちの選定を延期しています。日本と現地でそれぞれに、カウンセラー育成研修マニュアル調査やカウンセラーモジュールの見直し作業、受益者選定の基準設定ワークショップの準備をすすめています。

また渡航計画や事業計画の変更についてJICA側と協議を行っています。

 

新型コロナウイルスの感染拡大により混乱が起きていますが、いち早く収束して、安心できる生活を取り戻せることを願っています。

ご支援、応援くださっているみなさんには、心より感謝申し上げます。現在の状況をご理解いただき、引き続き応援いただけますと幸いです。

また、アフリカ緊急支援を必要としている人がまだまだたくさんいらっしゃいます。ぜひ、緊急支援にご支援、ご協力の程どうぞよろしくお願いいたします。