PLASの現地活動ケニアプロジェクト-SCOPE現地レポート

ケニアレポート|ライフプランニング支援で変わり始める家族たち-後編-

PLASのライフプランニング事業SCOPE(スコープ)は、現地スタッフが各家庭に訪問して、個別カウンセリングを通して将来に対する考え方や親子でのコミュニケーションの改善を図っています。

 

支援を受けることで、子どもだけでなく保護者の考え方や取り組み方も前向きに変わったとの声がたくさん届くようになりました。

 

前回のレポートに続きそんな家族たちの変化を、今回は保護者の声を通してお届けします。

貯蓄を学び、将来に備えられるようになりました。

(写真)多くのシングルマザーが、カウンセリングを受けると同時に自立のための農業支援にも参加する。

 

「夫を亡くし、私自身、そして娘のセレヴィンもHIVの治療を受けています。今までは毎日の生活で精一杯でした。でも、農業事業とライフプラン二ングのカウンセリングを通して生活も安定してきて、毎日食事を取れるようになりました。

農業用フェンスを支援してもらったおかげで、近所の家畜が野菜を食べる被害も無くなりました。栽培した野菜の一部は販売して収入になっています。

カウンセリングで貯金の大切さを知ってからは、万が一急な出費があった場合にも対応出来るように、貯金もするようになりました。

また、カウンセリングを通して子どもの発達や子どもとの良いコミュニケーションを学びました。思春期を迎えた子どもとの関係は難しいこともありますが、今では良好な関係を築けていることがとても嬉しいです。子どもも前向きになり、学校でもがんばっているようです。」

(リリアン 45歳 母親)

過去を断ち切り、子どもと向き合うことを学びました。

(写真)カウンセリングの様子

 

「私は小学校6年生のときに妊娠しました。それを知った父親は激怒し、私にとても冷たい態度を取るようになりました。

やむを得ず学校を中退し、結婚しましたが、結婚した相手は酒飲みで働かず、小さい子どもを抱えて一人で家計を支えてきました。夫はしばらくして亡くなりました。

私は父親と良い関係を築けなかったため、自分の子どもとの関係にも自信を持てずにいました。事業に参加したことで、自分と父親のような関係を繰り返すのではなく、正しい知識を子どもたちには伝えていきたいと思えるようになりました。

(エリザベス 31歳 母親)

母親としての自信を持てるようになりました。

(写真)現地スタッフによるカウンセリングの様子

 

「私はシングルマザーとして必死に3人の子どもを育ててきました。私自身は小学校を卒業できなかったので、子どもの教育や将来に不安を抱いていました。

たくさんご飯を食べさせてあげることも、病気になったときに病院に連れていくこともできませんでした。夫を亡くしHIVに感染していても、子どもたちを幸せにしてあげたいという気持ちだけでなんとかやってきました。

プロジェクトに参加して、保護者として子どもに何ができるのかを学びました。まだ不十分なところもありますが、子どもたちにとって良い教育が出来るようになれる、と自信をがつきました。

農業の支援も受けて、家族が食べる野菜を育てられるようになり、一部は売ることもできます。プロジェクトは私たち、そして私の人生に大きな恩恵をくれました。子どもたちのためにより良い母親になるためにもっともっと成長していきたいです。」

(キャロライン 30歳 女性)

「子どもの未来を切り開く活動」をこれからも。

(写真)ライフプランニング支援を受ける子ども達

 

PLASが取り組んでいることは、お母さんと子どもたちへの働きかけを通して、子どもが未来を切り拓くための「4つの変化」を起こすことです。

 

  1. 就学し、それを継続すること
  2. 自分に価値があると感じられること
  3. 将来を前向きに計画できること
  4. より健康に生活できること

 

そのために、ライフプランイング事業だけでなく、農業などを通した生計向上支援も行っています。農業をはじめられるよう、研修や種子や苗木の提供をし、農業のスタートから軌道に乗るまでの支援をしています。

 

お母さんたちが自分たちの力でより良い暮らしをつくることで、子ども達の就学支援にもなるからです。

 

これからもより多くの家族が安心して勉強に集中できるよう、活動を続けていきます。

 

前回のレポートでも同事業に参加する子どもたちや保護者の声をご紹介していますので、ぜひ合わせてご覧ください!

>>「ケニアレポート|ライフプランニング支援で変わり始める家族たち(前編)」