PLASの現地活動現地レポート

ケニアの在来種野菜と樹木の栽培による生計向上支援プロジェクトとは?

今日は、ケニアのホマベイ郡ビタでのプロジェクトについてのご報告です。

エイズで夫を亡くしたシングルマザーとその子どもたちを支援するため、在来種野菜と樹木の栽培による生計向上支援プロジェクトを行っています。

 

ケニアのホマベイ郡ビタはどんな地域?

アフリカ最大の湖に面した漁業が盛んな地域
美しいヴィクトリア湖の夕日

ホマベイ郡はケニアの西部に位置し、アフリカ最大の湖であるヴィクトリア湖に面した地域です。
人口は約107万人(※1)で 、成人(15歳以上)のHIV感染率が20.7% (※2)と全国でも高い地域です 。

ビタ準郡はホマベイ郡の8準郡の1つで、人口は約11.1万人(2009)、ホマベイ郡の北西部に位置し、漁業も盛んな地域です。

もともと農作物だけで生計を立てるのが難しい地域で、自分たちの家庭で食べるための野菜栽培でさえも困難な家庭があり、食糧不足となってしまうことがこの地域の課題の一つです。

ここ数年、雨期に降る雨量が不安定で、まとまった雨が降らないことで、農作物の生産が落ち、2016~2017年に発生した東アフリカを中心とした干ばつではこの地域も影響を受けました。

※1 The 2015/16 Kenya Integrated Household Budget Survey Basic Reports
※2 Kenya HIV Estimates Report 2018,County HIV Estimates for 2017

 

在来種野菜は育てやすいが、家畜放牧の被害を受けやすい

このプロジェクトではHIV陽性のシングルマザーがエイズ孤児を育てている各家庭が、在来種野菜と樹木を組み合わせた農業活動を開始できるよう支援を行います。

在来種野菜は葉野菜や豆類などで、現地の人々に広く知られているものです。
比較的乾燥や病気にも強いため、あまり肥料や農薬を必要とせず、水だけで育つ植物です。

そのため貧困家庭でもあまりお金をかけずに育てることができるのです。

一方で、この地域ではヤギやウシの家畜放牧によって野菜や木の葉が食べられる被害が出ていて、こうした在来種野菜を育てることに積極的でない理由となっていることが分かりました。

 

樹木の伐採がつづき、樹木の育成が急務

この地域では調理のための燃材として薪や炭が使われていて、自生する樹木が伐採されています。

長い月日のうちに草本や樹木が減っていくことで土壌がむき出しになり、雨が降り土壌侵食を起こすところも見られます。
樹木は長期的に、燃材、土壌の安定化、土壌改善、家具などの木材利用、果樹、薬用、生態系の保全など様々な面で地域に恩恵をもたらしてくれます。

このまま伐採が続けば、この地域全体の持続可能な生活が成り立たなくなることも予期され、樹木の育成が急務となっているのです。

 

在来種野菜と樹木の栽培を組み合わせた農業で生計を向上する

農業用のフェンスを設置し在来種野菜と樹木の栽培を組み合わせた農業を

そこでこの事業では、各家庭に農業用のフェンスを設置し、そのフェンス内で在来種野菜と樹木を組み合わせて植えています。
フェンスによって住民の在来種野菜の栽培の積極性を上げることができます。

フェンスを設置している様子

さらに、樹木を組み合わせることで、長期的に家庭や地域の環境改善につながることを期待しています。

また、水場が近くにない家庭については、ロバを飼うことで、雨期以外の時期に、野菜栽培に必要な水を湖や川から運ぶことができます。

農業や林業、家畜についての研修を実施

農林業研修を実施

既にフェンスの設置された家庭に集まり、苗木の植え方や野菜栽培の仕方について、地域の行政官(農業局、森林局)より研修を実施しました。

研修は、農業活動の開始前に実施するとともに、農業活動を始めた後にもフォローアップ研修を提供しています。

また、研修後には畑を巡回して個別の指導も行っています。

 

家畜研修を実施

ロバは雨期以外の時期に、野菜栽培に必要な水の確保のために飼育します。全ての家庭ではなく、水場が遠い家庭のみが対象となっています。
雨量が不安定で少ない地域ですが、ロバがあれば湖や川から水を運ぶことができるのです。

ロバの提供を受ける家庭には、提供前に家畜飼育研修を実施ししています。

研修は家畜局の行政官が担当し、また同行政官がフォローアップの巡回指導を実施します。

 

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