PLASの現地活動現地レポート

農業プロジェクトが始動!~ご支援いただいたクラウドファンディングの今

現在PLASではクラウドファンディングを実施していますが(Readyfor)、今日は2017年11月~12月にクラウドファンディングでご支援いただいた、ウガンダの農業プロジェクトの進捗をお伝えします。

「ウガンダでエイズ孤児を育てるシングルマザーを応援!農業で貧困から脱却する!」(Campfire)

このクラウドファンディングでは、129名の皆さんから130万円のご支援が集まりました。
本当にありがとうございます!

●このプロジェクトの目的

エイズで夫を亡くし、自身もHIV陽性でエイズ孤児を抱えているシングルマザーたちが、農業のスキルを身につけて野菜を栽培・販売し、自立した暮らしを送ることを目指すプロジェクトです。

活動地はウガンダの首都カンパラから車で約3時間、ジンジャ県で活動するグループ「カユンガ」。
HIV陽性のシングルマザー40名がメンバーです。

彼女たちの収入は低く、満足な食事を採れずにいる人もいます。
不安定な雨量によって農作物の収穫量が減り、価格が高騰、手に入りにくくなっているウガンダ。
カユンガと話し合うなかで、貧困下に暮らすHIV陽性のシングルマザー家庭にとって、安定した農作物の収穫・販売によって、家庭の生計向上と栄養改善ができるのではないかと考え、農業プロジェクトを立ち上げました。

カユンガの集合写真。ご支援でメンバーたちに農具も届けることができました
●農業プロジェクトが始動!メンバー総出で畑を耕しました

2018年より無事に農業プロジェクトを開始。
今年1月にはPLASスタッフがウガンダに渡航し、プロジェクトに参加するシングルマザー40名と、農業研修の実施と灌漑用の水タンク設置を行いました。

 

まずは農業の知識や技術を身につける研修からスタート。
農業局の協力で、4日間のプログラムを実施しました。

座学では、
・良い土壌をつくるためのたい肥の作り方、畝やマルチの作り方
・種や苗の適切な植え方、野菜の病気をどのように防ぐか
・混作や輪作について
など、朝から夕方まで盛りだくさんのプログラムでしたが、メンバーは積極的に参加、質問も活発に出ました。

 

農業実習では、近くの畑で学んだことを実践。

・区画に分けて耕作、畝を作る
・たい肥のまき方や適切な水やりの仕方を習い、種まきの準備をする
・野菜の種類によって異なる種の撒き方を実践。苗床とマルチの作り方を覚える

強い日差しの中、汗だくになって実習しました。

 

PLASスタッフも挑戦。「こんなに重労働だとは!」

 

最終日には、各自が研修の成果をプレゼンテーションし、学びを深めました。
どのグループも学んだことを自信を持って発表していました。

 

●シングルマザー全員が貯蓄をスタート!

PLASスタッフが現地を訪問したとき、メンバー全員が貯蓄を始めていました。
1人あたり30,000シリング(約1,000円)を貯め、貯蓄ノートにも記録されていました。
メンバーたちは月に2回集まり、定期的に貯蓄をしています。
少額でも積立てをしていくことで、次の農業サイクルの投資となるのです。
この事業では、収入を得るだけでなくそれを貯蓄し、収支のバランスを取りながら生計向上に励んでいきます。

また、ご支援によって貯水タンクを設置することもできました。
雨水をためて乾季でも野菜の栽培を続けることができる!とメンバーたちから喜びの声があがりました。

ご支援によって設置できた貯水タンク

 

1月にスタートした事業は順調にすすみ、5月には、計画した野菜をすべて植え終えました。
現在は野菜の収穫もはじまり、すでに販売を始めているメンバーもいます。
売上はグループごとに記録し、これから先は、野菜の種類を増やしていき、雨が降らない乾期でも植えることのできる野菜を農業オフィサーと相談しながら栽培していきます。

カユンガのリーダー、ジョイさんに「10年後、どんな地域を実現したいですか」と聞いたところ、
「子どもたちがより良い教育、できれば高等教育まで受けられるようにしたい。
子どもたちが成長して家庭を持ったときに、十分な教育と収入で子どもたちの未来を支えることができるように」と話してくれました。

メンバーと抱き合うカユンガのリーダー、ジョイさん

PLASはこの事業を通して、HIV陽性のシングルマザー40名とその子どもたち145名のより良い暮らしと未来を支えていきます。

改めて、このクラウドファンディングでご支援いただいたみなさま、ありがとうございます!