PLASの現地活動現地レポート

ケニアレポート -カウンセリング事業終了:困難を乗り越える子どもたち-

2014年6月から半年間の期間で実施されたカウンセリング事業が終了しました。

事業の実施地は、ケニアのキスムKisumuという町です。
キスムはケニアの中でも特にHIVやエイズの影響を受けている地域で、
2012年時点の成人(15~64歳)のHIV感染率は19.3%でした(ケニア全体のワースト3)。

そのため、エイズにより片親や両親を失くした孤児も多く、
同地域の孤児を抱える家庭の数は推定5万7千世帯です。

キスムの子どもたちが受けるHIVとエイズの影響
・1年間に新規にHIV感染する子どもの数・・・推定2300人
・1年間にHIVやエイズが原因で亡くなる成人の数・・・推定2800人
・1年間にHIVやエイズが原因で亡くなる子どもの数・・・推定1000人
・HIVの治療薬が必要な子どものうち薬にアクセスできているこどもの割合・・・54%

図1:カウンセリング事業の実施地キスムの位置

プラスが現地のパートナー団体と実施したカウンセリング事業では、
こうしたHIVやエイズの影響を受けている子どもたちを対象にしており、
片親または両親がいない孤児の子たちです。

子どもたちは以下のような困難な状況やリスクを抱えています。
・自身のHIV感染状況を知らないため、必要なケアが受けられない
・就学に必要となるお金が工面できずに、学校に通えない
・薬物依存、性産業や犯罪に巻き込まれる
・家族のHIVやエイズを理由に友達や地域から疎外される
・自尊心が低く、内向的

実際のカウンセリングでは、カウンセラーがそれぞれの子どもを訪問し、
子どもたちが自分自身の置かれている状況を認識し、
困難な局面でもより良い方向へ解決策を見出し、
対処できる能力を身に付けられるように働きかけます。
また必要なサービスへの橋渡しもします。

トレーニングを受けた10人のカウンセラーがそれぞれ10名の子どもを担当し、
事業全体では100名の子どもと34名の保護者が支援対象となりました。
週1回のカウンセリングと、事業実施中に2回の子どもフォーラム、
1回の保護者フォーラムを開催しました。

カウンセリングを受けた子どもたちからは、
現状を良い方向に変化させた話を聞くことができました。
以下、カウンセリングを受けた子どもたちの声を抜粋しました。

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カウンセラーと出会い両親が亡くなった後の苦しみを
受け入れることができるようになった。
またHIV検査も受け陰性だった。
成績はクラスで62人中3番だった。
カウンセラーが希望をくれた。
(プライマリースクール6年生、女子)

両親が亡くなり、学校にも通えなくなった。
近所の子どもたちに差別された。
カウンセラーと出会い、叔母の家で暮らせるようになり、
来年からは学校にも通える。
(10歳、女子)

カウンセリングを受けてHIV検査を受診できた。
両親はいないが、カウンセラーが自分の話をよく聞いてくれるので
カウンセリングを受けるのが好きだ。
(プライマリースクール生徒、男子)

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本事業は終了しましたが、プラスでは、
自ら状況を良くしていこうとする子どもたちの変化や
それを可能にするカウンセラーの取り組みについて、
今後の支援の方向性を模索していきます。

同事業の過去の現地レポート:
-声をあげられない子どもたちの手助けをするカウンセラー-
-カウンセリングを通じた子どもの変化、保護者の変化-

文責:巣内

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