PLASの現地活動現地レポート

叱るということ

人を叱るのは苦手です。

誰かを叱れるほど
自分自身が相手より優れている立場にたったこともないし、

普段あまり怒りを感じることがないから、
そもそもどんな風に「怒」という感情を表したら良いのかわからない…。

だから、必要以上に言い回しがやんわりしてしまって、
結局相手に伝わらなかった…なんてことに。

ただ、わたしは今、人を叱る立場にあります。
たとえインターン生でも、現地スタッフが間違った行動をとれば
それを正すために叱らなければいけません。

現地スタッフは私よりずっと年上だし、プロジェクトに従事している月日も長い、
そんな彼らを、派遣されて2ヵ月弱の大学生の小娘が叱ってよいものかと
躊躇しているところもありました。

色々な場面でケニアと日本の「基準」の違いにぶち当たったときも
彼らにとって正当なことを、日本人がどこまで口出しするべきなのか
自分の中の判断の基準がまだ出来あがっていないから、
叱るべきなのか判断できなかったり。

現地スタッフには、プラスの一員であることに幸せを感じてほしいし、
彼らの毎日がより楽しく充実したものになればいいと願っています。
日本人スタッフと彼らは「仲間」だとも思っています。

だからこそ、時間や規則を守る!といった基本的なところから
契約や書類といった実務的なところまで、
いわゆるジャパンクオリティをケニア人のスタッフやボランティアに求めることが
彼らの価値観ややり方の否定につながってしまうんじゃないかと恐くなることも。

とあるNGOでは、プロジェクト自体はものすごく上手くいっているのに
実は現地の人たちは団体を嫌っているという話を聞いたばかりで
必要以上に神経質になっているのかもしれませんが。

けれど、ここ数日間で、彼らに団体のスタッフと見なしてもらうためには、
いつまでも駐在員のあとを金魚のフンのようにくっついてまわるばかりでは
ダメなんだと実感しました。

好かれるのと、認めてもらうのは話が違うんだ、と。

「現地スタッフに認めてもらえなきゃ、うえちゃんはただの雑用係になってしまうよ」
と駐在員の方にアドバイスをいただき、はっ!としました。

別の団体でインターンをしていた時も、
「相手に気を遣いすぎて、仕事のクオリティが下がっちゃってる」と
アドバイスをもらったことがあります。

叱るという行為はエネルギーを消耗するし、こちらもあまり良い気分じゃない
でも必要なことなんだと思います。

きっと、重要なのは叱り方。
今まで厳しい先生や上司にお世話になってきたけれど、
どんなにビシバシ言われても、相手を嫌いにならず、むしろ感謝できたのは
私の成長のためを想って叱ってくれているのが伝わってきたから。

仕事をする中で自分なりの価値を生み出すには
仕事を憶えてこなすだけじゃ足りないんですよね。
ケニアでののこり4ヶ月半で、今まで破れなかった殻を破りたいなぁ、
そう強く感じている今日この頃でした。

現地インターン
上坂明日香