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【Weekly News】スワジランド:HIV 感染の疑いのあるパイロットを排除する航空法が制定へ

新しく施行される規制により、 HIV 感染の疑いがあるか結核にかかっている人にはパイロット免許が交付されないことが決定。
スワジランドで新しく施行される 『HIV 患者による航空機操縦を禁止する』 というガイドラインに対し、HIV 活動家たちが立ち上った。

「これは差別以外の何物でもありません。このルールが施行されれば、偏見を禁止する憲法の理念からも矛盾することになります」 スワジランド唯一の空港を持つ商業都市マンジニの人権活動家 Helen Dlamini 氏は語る。

2011年に制定される新市民航空管理規制では、HIV 感染の疑いがある人や結核にかかった人へのパイロット免許交付が禁止される。また免許取得を目指す人は定期的なメディカル チェックを受け、そこでドクターによる HIV 検査を受けることを強いられる。検査の結果は市民航空当局へと渡されるが、ここでは厚生省が持っているような HIV 感染者情報の機密保持のポリシーが存在しない。

「パイロット免許を取得できないだけでなく、その理由まで閲覧希望者に対して公開されてしまうことになるのです」 匿名希望の30代の男性は語った。彼は HIV 陽性者であるため、将来再申請の際に免許が失効してしまうことをおそれている。

活動家によると、HIV は適切な抗レトロウイルス治療を受ければ制御可能であり、このような治療はスワジランドで広く受けることができるという。
HIVに感染しているかどうかで雇用を拒否するのは違法であり、仮にそのような事態が起これば労働裁判所で争うことができる。

「過去には HIV によって悪性インフルエンザ患者のように衰弱し、仕事に従事することが難しいというケースもありましたが、抗レトロウイルスによって管理できるようになった今ではそのようなことはなくなりました。今回の航空規制は、HIV 陽性者は航空機の操縦ができない、と言っているようなものです」 Dlamini 氏は語る。

「HIV陽性者の多くがバスやタクシーだけでなく、トラックなどの大型車両の運転にも従事していますが、仕事に対する問題を彼らが指摘されたことはありません。HIV陽性者であるというだけで大型で複雑な車両の操縦が危険だというのであれば、陸上のこのような現状はなぜ問題視されてこなかったのでしょうか。」

スワジランドでは性的に活動可能な成人のうち約40%が HIV に感染しているという深刻な状況にある。国内失業率が40%という高い水準であるため単純作業に従事する労働者は不足することはない。しかしスワジランド商工会議所によると、ビジネスや工業といった分野では高い教育を受けた技術者の供給が追い付かないという問題に悩まされている。

マンジニで HIV 陽性者に対しカウンセリングを行う Stanley Kunene 氏は、自分が航空機の操縦を学びたいと思ったことはないが、今回の規制によってそういった人々の夢が打ち砕かれることになる状況を危惧している。

「エイズの問題は常に将来に関するものでした。いかに感染を防ぐか、また HIV陽性者にできるだけ長く生きてもらうか。彼らの職業の選択肢を奪うことは、彼らの将来を否定するということに繋がるのです」 彼は語った。

(文責:川崎涼友)

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原題:SWAZILAND: New aviation rules ground HIV-positive pilots
日付:October 25th, 2011
出展:PlusNews
URL:http://www.plusnews.org/report.aspx?ReportID=
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