現地レポート

ウガンダレポート -エイズ孤児を抱える家庭と支援する地域の人々-

今回の現地レポートは9月~10月にウガンダとケニアへ出張した門田がお送りします!ウガンダのエイズ孤児を抱える家庭の現状をお伝えします。

ウガンダのジンジャ県に住むジェーンさん50歳は、2人のエイズ孤児と3人の孫を引き取っています。「2人のエイズ孤児は息子の子どもで、4年前に両親ともエイズで亡くなり、引き取ることにしました。3人の孫は、両親は健在ですが経済的な事情で育てられないと言うので、私が引き取ることにしたんです。」とジェーンさんは話します。ジェーンさんの夫は5年前に他界し、ジェーンさんは一人で5人の子どもを養っています。

ジェーンさんと子どもたち

5人の子どもたちのうち、3人は学齢期の子どもたちで、公立の小学校に通っています。学費は無償ですが、学校の修繕費などにあてられる費用を毎学期2500円程払わなければなりません。

ジェーンさんは魚売りをして生計を立てています。干した魚を地元の漁師から週2回仕入れ、近所でそれを売り歩いています。月の売り上げは550円程。「とても子どもの学費を払える収入ではありません。子どもたちは地域のHIV陽性者団体から支援を受け、学校に通っています。」とジェーンさん。

ジェーンさんが売り歩いてる魚

ジェーンさんを支援するのは、地域のHIV陽性者40名ほどで組織する自助団体です。代表者のジョイさんにお話をお聞きしました。「地域にはエイズ孤児を抱える家庭が多くあります。母子家庭も多く、十分な収入がないために子どもたちを学校通わせることが難しい家庭もあります。私たちは、団体で農業や養鶏を行い、その収入をエイズ孤児の就学支援にあてています。地域の中で特に貧しいエイズ孤児を抱える家庭に優先的に支援を行っています。私の家まで助けを求めに来る保護者、相談に来る保護者も後を絶ちません。」

ウガンダでは2005年に活動を始めてから、少しずつ子どもたちの就学環境は整っています。しかし、ほとんど収入がない家庭にとっては、学費が無償であっても、それ以外の教育費をねん出することが難しいことを改めて感じました。しかし、地域で子どもたちを支えていく試みも多く取られています。特にHIV陽性の方々が自分たちの生まれ育った地域でエイズ孤児を支えていく試みが様々な地域でなされていることを感じることができました。

現在プラスでは、ウガンダでのエイズ孤児支援の新規事業を計画しています。まだまだ検討・準備段階ですが、早く皆さんにお知らせできるよう、準備を進めていきます!

(文責:門田瑠衣子)