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【Weekly News】ミレニアム開発目標 首脳会合:エイズ対策、何が必要か

先月国連本部で行われた「ミレニアム開発目標(以下MDGs)」に関する首脳会合。

保健分野を担当する国連職員も参加し、“エイズ対策が波に乗りつつある今、継続的な途上国支援をすることで、2015年までにはHIV/AIDSの感染拡大は収まってくるのではないか”との意見が出された。

「HIVの母子感染防止」はとても重要な課題。「乳幼児死亡率引き下げ」「妊産婦の健康状態改善」「エイズ/マラリアなどの蔓延防止」など、MDGsの8項目のうちの3項目の達成とも深く関係する。

MDGsが宣言されてから10年が経過した。HIVに感染した妊婦全体の中でどれ位の人数が抗レトロウィルス薬による治療を受けられたか。近年のリサーチによると、2007年は約35%だったのに対し、2008年は約45%と、対策の効果が見られる部分もある。しかし、エイズ対策が必ずしも十分だったとは言いがたい。

「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」は、HIV母子感染防止をより現実的なものにするためには、今後3年間で13〜20億ドルが必要との見解を示した。フランス、カナダ、ドイツ、ノルウェーなど、各国が資金提供を表明するも、必要とされる額に至るには10億ドル以上が不足。アメリカも、今後も資金提供を続けるとしたものの、今回の首脳会合では具体的な増額に関する発言はなかった。

ただ、ユニセフのHIV/AIDS分野でのトップ、Jimmy Kolkerは、資金面以外でも改善すべき課題がたくさんあると言う。“課題は山積。HIV検査を受ける妊婦がまだまだ多くないことや、検査を受けても結果を聞きに来ない人も少なくないこと。薬を持ち帰ってもしっかり服用しない人。妻がHIV陽性でもHIV検査を受けない夫・・・。”エイズ対策を充実させるためには、資金面でのより一層の支援に加え、各ターゲットに対するより積極的かつ効果的なアプローチが必要のようだ。
(訳:大場菜生子)

原題:MDGs:Donors hold key to HIV-free generation
日付:September 23, 2010
出典:Plus News
URL:http://www.plusnews.org/Report.aspx?ReportId=90558