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【Weekly News】ソマリア:学校でエイズ教育を

HIV/AIDSを正しく理解してもらうための新しいプログラムが4月にスタートした。ソマリア北西部にあるソマリランドの、およそ800人の小中学生が対象だ。

Somaliland Health and Social Care Organization(SOHASCO)、ソマリランドで活動する組織の事務局長、Mohamoud Hassan Abdillahiは次のように話す。「子どもの年齢は7歳から19歳と幅広い。当然、ほとんどの子の性行動はまだ活発でない。でも、子どもたちはすぐにHIVのリスクにさらされる世代になる。それに、私たちからのメッセージを各家庭にも持ち帰ってくれる」。

HIV/AIDSの正しい情報を伝えようとする人たちは、賞賛されることもある。しかし、地域の大人たちの多くはあまり喜ばない。子どもたちが小さい頃から、性に関するあらゆる事を知るようになってしまうと考えるからだ。

子どもを持つ親の心境も複雑だ。Ali Jama Abdiも次のように話す。「子どもたちがHIV/AIDSについて教えられるのは嬉しくない。イスラムの世界では、ある一定の年齢に達すれば、リスクある性行動はしてはいけないと教えられるのが普通。それに、子どもたちが、性に関する多くを知ることは、イスラム教では許されていないから」。

SOHASCOがHIVの感染経路を説明する時、HIVは“不法な”性行為によって感染するとか、“不道徳”、“不貞”といった言葉を使用するので、それは時に、HIV感染者を非難する形になってしまう。でも、宗教色が強くて保守的なソマリランドでは、そのような言葉を使って説明しないとエイズ教育は受け入れられない。SOHASCOとしては、“HIV感染者は不名誉”だという印象を軽減していきたいところなのだが。

SOHASCOによると、教育現場の先生たちはエイズ教育の難しさを訴えている。「感染の危険から子どもたちを守るには、エイズ教育は必須。先生方もHIV/AIDSを知っているが、どう教えるかということに関しては、手探り状態が続いている」。

ソマリランドの国立エイズ委員会によると、現在エイズ教育の授業計画が検討されており、今年中にはその草案が発表されるようだ。

ソマリランドのHIV感染率は現在1.4%と言われている。今後感染が拡大する可能性もあり、教育現場でのエイズ教育の重要性が見直されつつある。
(翻訳:大場菜生子)

原題:HIV education goes to school
日付:April 15, 2010
出展:IRIN News
URL:http://www.plusnews.org/Report.aspx?ReportId=88829