ケープタウン市は2010年までの3年間で、その数が急上昇すると考えられている孤児に対する対策を練っている。
そして、その孤児の半数以上がAIDS孤児であ る。
州で最も大きなチャイルドケアーセンターを運営するRosie Mashale氏は昨日、
『子供たちはまるでティッシュのように捨てられている』
と公言した。
また、孤児に対する市のプロジェクトのディレクターであるWesley Douglas氏は、
『この問題は急速に社会的、また経済的な問題に発展している』
と警告した。
そしてさらに、
『この問題に直ちに取り組まなければ、3年後には子どもたちは路上でかたまり、ギャングに取り込まれたり売春を強制させられることになるだろう』
と続けた。
『このことにより、治安、薬物の乱用、経済は悪化し、特に観光業は大きな影響を受けるであろう。人々はこの問題の緊急性に、誰かが命を落とすまで気づかない。しかしそれでは遅すぎる。今の時点で計画ができあがっているべきなのだ』
と彼は言う。
MRC(Medical Research Council)の昨年の報告によると、ケープタウンがある州には84,000人の孤児が存在し、その数は3年後には105,000人を上回ると予想される。
そして、その孤児の多くは州の人口の89%が占める都市部に集中している。
またMRCは、予想される危機への対策準備として、現存するプロジェクトを改善し、孤児を支援する新たな体制を整える計画を立てている。
Helen Zille市長は、孤児の問題は優先すべき問題であるとした。
しかし、
『土地や必要なインフラに対する官僚の対応が遅い事、また十分な反応が得られないことに、非常に憤りを感じている』
と付け加えた。
地域開発の財団で働くBuyiswa Tononoさんは、孤児の問題が深刻化していることを認め、公園では多くの親が子供を捨てていくと言っている。
また、多くの親は命がもう長くないため、代わりに子どもの面倒を見てくれる人を探しているが、自分の病気について話したくないために、子どもたちの引き取り先を手配しないままになっているのが現状という。
Douglas氏も、周囲の偏見から自分がエイズ患者であることを認めない親が多いことを指摘している。
さらに彼らは、失業や抗レトロウイルス薬を手に入れられないといった問題にも直面している。
このように、HIV/AIDSへの偏見によって両親が対応できず、両親の死後、結果として子どもが子どもの面倒をみるような事態になっている。
Starfish Greathearts財団職員のMcLaren氏は、エイズは確かに地域に衝撃を与えたが、それよりももっと貧困といったようなより大きな問題を見つめることが必要であるとしている。
原題:’Discarded like tissue paper’
日付: 24 July 2007
出典: Cape Argus