PLASの現地活動現地レポート

ケニアレポート –母子感染予防事業について、インタビューを実施しました!

こんにちは!キスム事務所駐在員の安田聖子です。
ケニアで3年間にわたって行われてきたHIV母子感染予防事業が9月15日をもって終了します。事業終了に伴い、これまで3年間を振り返って、というテーマで啓発リーダーにインタビューを行いました。今回はその際に伺った啓発リーダーの事業についての感想をご紹介致します!

インタビューを受けてくれたのは、Bさん(38歳)です。彼女は母子感染予防事業に関わる以前から、地域保健員として住民の抱える健康面の問題に関する相談にのり、助言をする仕事をしていました。

とっても気さくにインタビューに答えてくれたBさん

そんな彼女の、母子感染予防事業についての感想をご紹介します!
まずは、楽しめたこと、達成感を感じたことについてご紹介します。

「私は、啓発活動をとても楽しんで行うことが出来ました。啓発活動を通して、たくさんの地域住民の行動に変化が起こったからです。HIVステータスを知るために医療機関に検査を受診しに行く人、出産を病院でする女性などが増えたと感じています。また、母子感染予防の詳しい知識を身に付けた上で啓発活動を行ったことで、私は地域住民に頼られるようになりました。啓発活動以外の自分のプライベートの時間にも、地域の人が私を訪ねてくることがあります。その際には、休日でも相談にのるようになりました。」

平日に限らず、休日にも地域住民が助言を求めて啓発リーダーのもとを訪れるということ。これは、啓発リーダーが「困ったときはこの人に助けを求めよう!」と頼りにされ、地域住民の信頼を得たことを意味しているのではないでしょうか?ちょっぴり鼻高々に話してくれるBさんを見ていて、私も嬉しくなりました!

では次に、母子感染予防事業において苦労したこと、対応に困ったケースについてご紹介します。

「大変だったこととして、時に地域住民のために私自身のお金を使わないといけなかったことが挙げられます。啓発活動の一環として、安全な出産が出来る医療機関で出産をすることが重要だと説明をしました。しかしながら、医療機関に行くための交通費を工面できない女性も少なくありません。可能であれば病院で赤ちゃんを産みたいけど、病院に行くためのお金がないのです・・・、と出産が間近に迫って女性に相談され、やむなく自分のお財布から交通費を出したことも幾度かありました。」

啓発活動の内容を理解しつつも、お金がないという理由で、病院で赤ちゃんを産むことが出来ない状況、とっても歯がゆいですね・・・。地域住民に頼りにされる反面、対応に悩んでしまう難しい問題です。


きれいな青色で合わせたアフリカンドレスがとても似合うBさん。

このような問題に悩みながらも、Bさんから今後の母子感染予防啓発活動に対しての高いモチベーションを持っている様子がうかがえました。

「私の住む地域の中で死んでしまうお母さんや赤ちゃんの数が、私たちの行う啓発活動を通して、少しでも減ってくれることを願います!そのためにも啓発活動を続けていこうと思っています。」



啓発リーダーが普段活動を行う本事業地の様子

Bさんのような活動への積極的な意思を持った啓発リーダーが、今後も地域で活躍していくことが出来れば、命を亡くすお母さんと子どもの数が少しずつ減っていくのかと思います。啓発リーダーの今後の活躍に乞うご期待、です!

文責:安田 聖子