PLASの現地活動現地レポート

PLASの新たな挑戦、アグロフォレストリーとは?

今日お届けする現地レポートは、新たに今年始まったケニアでの事業。
HIV陽性のシングルマザーとその子ども(エイズ孤児)たちの経済的自立のための農業事業です。どのようにこの事業が始まったのか、レポートしていきます。

小学校に通う子供を持つ家庭の平均月収、3200円の衝撃

PLASは現地パートナーであるヴィアジェンコとともに、エイズ孤児のためのキャリアカウンセリング支援を2016年より、同じ字域で実施してきました。キャリアカウンセリング事業では30家庭のHIV陽性シングルマザーと子どもに対してキャリアカウンセリング支援を行ってきました。


パートナー団体ビアジェンコのスタッフら。

これらの家庭は特に乾季には日々の食事にも困る状態が続いていました。この地域で家計状況調査を行ったところ、小学校に通う子どもを持つ家庭の平均月収が2,878ケニアシリング(約3,200円)。貧困状態にある家庭も少なくありませんでした。

農業による収入を得る家庭は15%のみ 貧困に陥りやすい理由とは?

調査では、栽培した農作物を販売して収入を得ている家庭は調査した99家庭のうち15家庭(約15%)。農業に関する収入額は月収の28%(約800シリング)を占めるのみでした。実際この地域は、もともと農作物だけで生計を立てるのが難しい地域といわれています。農作物の生産量が少ないことに加え、他の生計手段も乏しいために、貧困状態にある家庭が多いのです。

ケニアの農村では、家庭菜園をして自分たちの食べる野菜を自身で作る家庭も多いのですが、この地域では自分たちの家で食べるための農作物を作ることさえも困難な家庭が多いのです。


もともと乾燥地域で気が少ない地域で、気候変動や環境変化に対して脆弱な地域。そのため、簡単に食糧不足に陥ってしまうのがこの地域の大きな課題となっています。

また、自然環境の条件が厳しいことには、もう一つの理由がありました。適切な情報へアクセスできずに、燃料確保ための森林伐採などにより自然資源を消費していて、これが長い時間をかけて家庭や地域の脆弱性としての食糧課題や貧困課題に結びついていることもわかりました。

PLASのはじめる「アグロフォレストリー」とは

そこで、キャリアカウンセリングを受けている家庭の中でも特にニーズの高い家庭に対して、農業と植林を組み合わせた総合的・長期的な生産力の向上を目指すアグロフォレストリー支援を行うことになったのです。


支援を受けるシングルマザーの一人。

具体的には各家庭に農業研修を行い、各家庭で農業を始めるための種や肥料、動物を除けるためのフェンス製作、植林等の初期投資を行います。この事業のポイントは2つ。「ロバ」と「植樹」です。水場が遠い家庭にはロバを支給し、水の確保ができるように支援します。また、植樹をすることで防風、土壌保全、飛砂防止などの効果を持つことになります。
農業により現金収入を得ることができ、最終的には果樹からも農作物を得ることができます。


フェンスの様子。

生計向上とカウンセリングの両面からのアプローチを実現

この事業には、現在行っているキャリアカウンセリングの事業との相乗効果を期待しています。生計向上とカウンセリングの両面からアプローチすることで、子どもたちが、将来を前向きにとらえ、未来の展望を描き、そのための選択ができるようになるようになることを目指しています。

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