PLASの現地活動現地レポート

ケニアレポート|ケニアで生計向上事業を開始します②事業に参加するシングルマザー

前回の現地レポートではケニアで新たに生計向上事業を実施するパートナー団体ビデップ(BIDEP:Bessa Integrated Development Programme)についてご紹介しました。
今回は、事業に参加するシングルマザーと子どもたちについてお伝えします。

1人目はミリセントさんです。彼女は2010年に夫をエイズで亡くした後、一人で5人の子どもたちを育ててきました。
家で食べる分だけの食糧は自分の畑で取れますが、収入にはつながっていません。
また手編みのカゴを作っていますが、収入は少なく、子どもの教育費の支払いが遅れたり、子どもが病気になっても治療費が払えなかったりすることがあったそうです。


手編みのカゴを作るミリセントさん

2人目はアンナさん。彼女も2011年に夫を亡くしてから、一人で6人の子どもを育ててきました。
農業で生計を立てていますが、それだけでは足らず、子どもの教育費が払えないことがあるようです。
アンナさんの家を訪問した際も、教育費を払えなかったために、ジャック君(アンナさんの4番目の子ども)は学校に通えずに家にいました。


アンナさんの子どものジャック君

3人目はカロラインさんです。彼女も2013年に夫を亡くし、7人の子どもを育てています。
ここ最近は体調を崩しており働けなかったため収入がほとんどありません。
体調を崩す前は、ジャガイモ販売で収入を得ていた他、農繁期には他の家庭の畑仕事を手伝って収入を得ていましたが、子どもたち全員の教育費は賄えず、支払いが滞ることがたびたびあるようです。


カロラインさんと子どもたち

いずれのシングルマザーも夫を亡くして1人で子どもを育てています。
HIVやエイズの治療を受けているため、ときどき体調を崩すこともある中で、家計を支えるために働いていますが、低収入のために子どもの教育費を支払えないことがあります。

ビデップとの協議を通して、こうした家庭に対して小規模の養鶏ビジネスを始めるための資金と研修を提供する養鶏事業を計画するに至りました。

次回の現地レポートでは、養鶏事業の内容についてお伝えします。

(文責:巣内)

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