Weekly News Update関連情報

【Weekly News】2011年、エイズ対策で注目すべき5ヶ国

近年、エイズ問題にも明るい兆しが見えてきた。新しい感染者数は減少、治療も進み、感染者への差別に対する取り組みも進んでいる。しかし、まだやるべきことは多くある。以下5ヶ国を例に、2011年のエイズ問題を展望したい。

南アフリカ
世界でもHIV感染者数が最も多い国、南アフリカでは、約500万人以上がHIVに感染しており、そのうち、約1/5がARVの治療を受けている。同国はHIV/AIDS対策にかかる費用を他国からの支援で賄うのではなく、問題を自国の問題と受け止め、国の予算のうち約7億7千ドルをそれに当てている。同国はHIV検査とカウンセリングの実施や地域病院でのARV処方の強化などに力を入れている。

ロシア
ロシア国内の薬物使用者のうち、37%がHIV感染者だと言われており、ロシアはヨーロッパの中で最もHIV対策の必要性に迫られている国だ。同国は薬物使用者を刑務所へ送るだけの対応をしてきたため、清潔な注射針を入手することが困難だった彼らは、HIV感染の危機に常にさらされてきた。HIV問題の解決を図るには同国の薬物使用への制裁方法を変えなければいけない。

ウガンダ
ウガンダ政府の積極的なHIV対策が功を奏し、同国のHIV感染率は1992年の18%から2004年の6.1%と激減していた。しかしUNAIDSによると、現在の感染率は約7%だという。同国の報告によると、特定のパートナー以外の人と性行為を行ったと答えた女性は、1995年の12%から16%、男性は29%から36%と増加しており、それがHIV感染率増加の原因ではないかと言われている。複数のパートナーを持つ人たちのHIV予防がメディアで叫ばれている中、2011年に同国政府がどのような対策を打ち出してくるか注目したい。

ハイチ
マグニチュード7.0の大地震がハイチを襲い、HIV感染者にも大きく影響を及ぼした。ARVの処方は再開しつつあるものの、対応は未だ不十分だ。また、性的虐待や売買春があちこちで見られ、ハイチのHIV感染率を上げている。避難地で結核の感染も見られ、住民の基本的なニーズも不十分だが、HIV/AIDSへの取り組みも忘れてはいけない。

インド
発展途上国で支給されているARVのうち80%はインドで製造されたものだ。しかし、近年の欧米諸国の製薬会社による影響により、インドはその安価な薬を作り出す力を失いつつあることが分かった。ARVを必要としている途上国の人々に薬がいき渡るかどうかは2011年のインドの動向にかかっている。

(文責:足立真希)

===============================

原題:HIV/AIDS: Five countries to watch in 2011
日付:Jan 28th , 2011
出展:IRIN News
URL:http://www.irinnews.org/Report.aspx?ReportID=91758
===============================

新しくなったマンスリーサポーター 詳しくはこちら

コメントはfacebookのPLASファンページへお願いします!