PLASの現地活動現地レポート

2010年夏ウガンダワークキャンプB日程報告

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9月2日から16日の15日間、2010年夏ウガンダワークキャンプB日程が開催。日本人13名、ウガンダ人5名の計18名が一丸となり、地域のために活動しました。
場所はウガンダ共和国ルウェロ県の小学校Basajjansolo Memorial Training Centre (BMTC)。8月に開催されたワークキャンプA日程と同じ小学校です。

○新教室づくり―床張り、梁上部の建設

ワークキャンプA日程に引き続き、新教室の建設作業を主に実施しました。15日間で、新教室2棟を完成に近付けました。

建設作業の様子

主な仕事は、新教室一棟の床にコンクリートを敷き詰める作業、もう一棟の梁(建物の上部を支える水平材)上部のレンガ積み。レンガを頭より上に持ち上げたり、手押し車いっぱいのコンクリート運びは重労働でした。しかし経験あるウガンダ人参加者、専門知識を持つ大工と協力し、建設は順調に進みます。

高層で仕事をする大工に、日本のスポーツ飲料を投げ渡す気遣いもありました。また仲良くなった子どもたちが一緒に手押し車を押そうと懸命になる光景も。楽な作業ではありませんでしたが、爽やかな笑顔のある建設現場でした。

○HIV/エイズについて考える

また、地域のHIV/エイズの現状を知るために、HIV陽性者支援を行う現地団体・NACWOLA(ナクワラ)への訪問、そして小学校付近の家庭訪問を行いました。
ナクワラでは、陽気な歌とダンス、HIV検査の重要性がテーマの演劇を鑑賞、その後2人のHIV陽性者が体験談を聞きました。悲しみにくれるのではなく、前向きにHIVと共に生きるナクワラのメンバーに、参加者は新鮮な驚きを覚えました。

NACWOLAの人々

家庭訪問では両親をエイズで失った女の子を受け入れている家庭、両親ともHIV陽性である家庭など、いくつかには確かにエイズの影響があるようでした。エイズの現状に加え、地域の人たちはどんな家に暮らしているのか、どんな考え方を持っているのか肌で感じることができました。

「どんな時に幸せを感じますか?」という参加者の質問に、「いつもですよ」、とお母さんが答える場面がありました。地域の人々もまた、いきいきと日常を歩んでいました。
また、HIV/エイズをテーマにディスカッションも行いました。「結婚を間近に控えたパートナーに、『隠していたが、自分はHIV陽性なのだ』と打ち明けられた時、どう対応するか」という難しいテーマ。日本人参加者にとっては、同世代のウガンダ人の考え方を学ぶ貴重な機会になりました。

○AKB48 in Uganda ―学芸会に出演

キャンプ終盤の9月14日には、BMTCが実施する学芸会に出演しました。

学芸会に集まる父母や地域の人々

学芸会は、BMTCの存在を地域の人々に浸透させる大切な機会です。日本人の出し物は、この日をさらに盛り上げる重要なプログラムでした。

当日は朝9時から、ブラスバンドと共に街を行進。子ども達の保護者や地域の住民が続々と集まってきます。その前で、歌、ダンス、詩の朗読など、BMTCに通う幼稚園生、小学生が披露しました。
16時を過ぎ、私達の出番。これまでのキャンプではソーラン節などが日本人の出し物として実施されていました。しかし今回は「今までにない楽しみを」と、人気アイドルグループ・AKB48のダンスを演じました。衣装も日本から用意し、男女共にAKB48を再現しました。

ダンスを披露する日本人キャンパー達

男子が女装をすること、時に挑発的なダンスがウガンダの文化に受け入れられるのか、不安もありました。しかし結果は、ダンスの中盤から拍手と歓声、最後にはスタンディングオベーションを受けました。

また、幼稚園生と小学1年生に日本文化紹介の授業も行い、凧揚げとあやとりの2つの文化を、子ども達と一緒になり楽しみました。

○自分達で創り上げるワークキャンプ

毎日の予定、ルール、出し物の練習日程、様々なことを、参加者は自分達で考え決めていきました。
日本とウガンダの文化の壁や、言葉の壁、また日本人同士の中にも起こる考え方の違いに悩むこともありました。時には公の話し合いの場で、時には腹を割った対話で誤解を解消することで、ひとつずつ壁を壊そうと努力しました。
毎晩のように食事の残り火でキャンプファイヤーを焚き、周りに集いました。夜更けまで、ウガンダで流行の音楽を日本人参加者も一緒になって熱唱して、笑いあう夜もありました。

キャンプファイヤ―を囲んでの語り合い

○ゴールラインではなく、スタートラインに

ワークキャンプB日程にも、様々な人生を辿る参加者が集いました。会社を離れ世界一周の旅に出た人。子どもが大好きな人、苦手な人。自分の軸を探したいと参加した大学3年生。ウガンダを知る、エイズ孤児の問題に触れることと並び、新たな仲間を得たことが、参加者の大きな財産になりました。
「日本に帰ってからもっとエイズのことを知りたいと思った」。「もう一度ウガンダに来たい」。最終日、参加者からはこんな声が漏れました。15日間という時間は、決して長くはありませんでした。しかし、参加者が感じたこと、得た学びは、これから先も息づいていくはずです。
参加者の一人一人が、この経験をゴールではなく、人生の新たなスタートラインとして歩き出していくと信じています。そしてひとつひとつの歩みが、子ども達の笑顔を後押しする力となることを願っています。

ワークキャンプ修了証を手に集合写真

最後に、ワークキャンプA日程と同様、本事業を実施するにあたり多くの方のご支援、ご協力を賜りましたことを心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

(文責:2010年夏ウガンダワークキャンプB日程リーダー 川嶋大介)