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【Weekly News】ウガンダ:エイズ患者、食糧不足で薬の服用も困難に

干ばつの被害を受けたウガンダ東部では、HIV感染者の多くが、HIV(エイズウイルス)の増殖を抑える抗レトロウイルス薬の服用を停止しようとしている。食糧不足が更に続けば彼らはやがて薬の服用をやめ、生きられなくなってしまうだろう。
災害・難民対策担当大臣であるMusa Ecweru氏はIRIN(国連人道問題調整事務所の報道部門)に対して次のように説明した。ウガンダ東部のTeso地方を調査したところ、この地域のHIV陽性者は“食事ができなければ抗レトロウイルス薬は服用できない”と考えており、食糧不足の今、彼らの多くが薬の服用をやめようとしているという。
長く続いた干ばつにより作物の多くが被害にあい、数千万人が飢えに直面している。ウガンダ東部、Amuria県代表であるOmax Hebron Omeda氏も、「こんなにひどい食糧不足は見たことがない。中でも大変な状況にいるのがHIV感染者たち。もし政府が早急に食糧提供をしなければ、大勢の人が死んでしまうだろう」と話している。
この地域に住むHIV感染者の一人、Julius Ochenは治療薬の服用をやめてしまったそうだ。何も食べずに薬を服用すると吐き気があり、具合が悪くなるからだという。他の住民も、これ以上食糧不足が続けば多くのHIV患者が栄養不足と病気の進行で死んでしまうのではないかと懸念している。
薬の副作用が強くても、HIV患者たちには薬を飲み続けてもらいたい。地元NGOもこのように強調する。食事をしないで薬を飲むと体調不良を訴える人が多いのは事実。でも、薬を飲んだ方がエイズの進行を遅らせることができるし、より長く生きられるのもまた事実なのだ。保健省のHIV/AIDS対策プログラム主事、Zainabu Akol氏 も同様に、HIV感染者に対して“薬の服用を続けるように”と警告している。
栄養不足はHIV陽性者たちの免疫力をも弱めてしまう。それによりエイズの発症を早めたり、抗レトロウイルス薬を服用できない段階まで病状が進行したりと、HIV感染者は食糧不足による影響をとにかく受けやすいのだ。 十分な食事は薬の副作用を和らげ、患者たちの薬の服用を後押しする。
ウガンダ政府はおよそ1千万ドル分の食糧を被害が深刻だったTeso地方に提供したが、まだまだ足りていないという。地元メディアによると、5月以降この地域では、40人以上が飢えが原因で亡くなっているそうだ。Ecweru担当大臣は、抗レトロウイルス薬を服用するHIV陽性者たちには特に食糧が届くように保健省と話し合いを進めているというが、食糧が行き渡るにはまだ時間がかかりそうだ。
ウガンダの北部と東部の17県は干ばつの被害が最も深刻だ。その他の35県も被害を受けており、干ばつの被害と食糧不足は広がり続けている。
(訳:大場菜生子)
原題: Hungry HIV-positive patients abandon ARVs
日付: August 18, 2009
出典: IRIN PlusNews
URL : http://www.plusnews.org/Report.aspx?ReportId=85757