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エイズ孤児の今がわかる!PLASメールマガジン014(2007-08-07)

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━┛━┛━┛━┛     2007/8/7  第十四号
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□■□    エイズ孤児の今がわかる!
■□    PLASメールマガジン

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INDEX
□PLASの事業が国際交流基金市民青少年交流助成に決定しました

■ウガンダ・ワークキャンプに参加するメンバーの事前エッセイ

□PLAS中長期ボランティアに突撃インタビュー
〜2006年10月〜2007年1月までPLASウガンダで
中長期ボランティアを経験された吉竹美緒さんより〜

■最新エイズ孤児関連ニュース
●ケニア:病棟しかしらないエイズ孤児
●ルワンダ:若者とHIV/AIDS
●子どもに届かぬARV

□編集後記
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□■PLASの事業が国際交流基金市民青少年交流助成に決定しました

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今年の夏に開催されるウガンダ国際ワークキャンプ事業が国際交流基金の
市民青少年交流助成を受けることが決定いたしました。
この事業では、ウガンダのユースのボランティアと日本人ボランティアが
約2週間、共同生活をしながら、エイズ孤児支援を行い、両国の交流を深め、
地域にとって必要なものをともに学びあい考える事業です。
具体的にはエイズ孤児の多く通う小学校の改修作業、
小学校での日本文化紹介事業、地域でのエイズ啓発ワークショップ、
地域に開かれた形での学芸会を行います。
そして参加ボランティアたちがこれらの活動を通して、地域の
HIV/AIDSやエイズ孤児の現状を学び、
ともにこれらの問題に対して何ができるのか、考えます。
今回の事業を助成いただきます国際交流基金様には、
この場を借りて厚く御礼申し上げます。

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□■ウガンダ・ワークキャンプに参加する浅野拓也さんのエッセイ

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ウガンダキャンプ前
あと、1ヶ月。1ヵ月後には、僕たちはウガンダにいる。
正直なところ、まだ実感がない。
ただ、今から早く行きたくて仕方ない言う気持ちはある。

2日間の事前研修において、本当に素敵な仲間と出会えた。
この人たちと2週間ウガンダで生活をともにし、悩み、行動していける
のだと思うと、それだけでワクワクしてくる。
自分がこのワークキャンプに参加しようと決意した理由、それは、
いままで国際関係などに自分なりに興味を持って勉強してきた中で、
それが勉強のための勉強というか、本などで勉強してきただけで、
間接的にしか問題を語れない自分に歯がゆい思いがわいてきた、
ということがある。
だからこそ、実際に現地に行って、現実を生で見て、感じて、触れて、
そして自分に何ができるのか、ということを探してきたいという思いがあった。

この地球上において自分という人間はあまりにも小さく、はかなく、
取るに足りないちっぽけな存在かもしれない。
でも、そんな自分にほんの少しでもできるのであれば・・・

↓続きはこちら↓
https://plas-aids.org/blog/2007/07/2007_4.html

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□■PLAS中長期ボランティアに突撃インタビュー
〜2006年10月〜2007年1月までPLASウガンダで
中長期ボランティアを経験された吉竹美緒さんより〜

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Q1.仕事内容は?
カンパラ郊外Nabweru地区にある、エイズ孤児たちが通う学校
Blessed Nursery & Primary Schoolが主な活動場所です。
2003年に設立されたばかりの学校は運営基盤が弱いため、
運営の補佐やアドバイスが主な活動のひとつでした。
教師への給料が滞っていたり、支出入の管理ができていなかったりしたので、
無駄な支出がないかをチェックし、
改善点があれば校長先生に提案していきました。
二つ目が、エイズ孤児の家庭訪問です。
子ども達や家族が抱える問題やニーズを知るには、
学校内だけでは十分ではないからです。
親戚の家庭に引き取られたけれども、
他の子ども達よりも与えられる食事が少ない女の子、
父親を亡くして母親が道端で果物を売って稼ぐ
週600円の収入で何とか学校に通っている男の子…
訪問で見えてきたのは、エイズ孤児やその家庭の生活の苦しさでした。
それでも、「中学までは通わせたい、この子は勉強が良くできるよ」と
胸を張る母親の姿や、「たくさん勉強して、クラスで一番になるだ」と
恥ずかしそうに笑う子どもの顔がありました。
三つ目が、Nabweru地区でのエイズ啓発ワークショップの企画運営です。
HIV/AIDSへの正しい知識を持っていないために感染を広めてしまう、
感染者やエイズ孤児への偏見が根強く残っている地域を
少しでも変えていくことが目的です。
中長期ボランティアはあくまでサポート役。
学校の子ども達や先生が主役となることを目指しました。
子ども達が地域の人たちを前に、エイズの悲しみや怒り、
将来への希望をこめた歌や踊りを披露し、エイズで苦しむ子どもたちを
これ以上生まないで、とメッセージを送ってくれました。
ちなみに、中長期ボランティアの暮らしですが、
学校の近くのゲストハウスで各国のボランティア達との共同生活。
オランダ、デンマーク、ウガンダ…電気が来ない夜は月明かりの下で
ロウソクを灯して語り合い、一生の友人達ができました。
朝は教会から流れる祈りの歌と、チャパティ(小麦の生地をのばして作るパン)
の焼ける匂い、子どもたちのはしゃぐ声で目が覚めます。

Q2.やりがい、印象的だったことは?
子どもたちが本来持っている力を発揮できるチャンスをつくれること。
エイズ啓発ワークショップの準備で、
子どもたちが先頭に立って宣伝パレードで声を張りあげて町を練り歩く姿や、
本番たくさんの人を前にして「エイズをなくそう」と
ソロで堂々と歌う子どもを見て、
「”助けなきゃいけない弱い存在”なんかじゃなくて、
自ら社会に訴えかける力を持っているんだ」と改 めて感じました。
夫をエイズで亡くし5人の子どもを育てる母親の家庭を訪問したとき、
「学校を建ててくれて、子どもが勉強できるチャンスをありがとう」
と手を握ってきてくれたことや、両親を亡くした子どもが
「夢があるの。お医者さんになって、たくさんの人を治したい。」
と話したくれたことも忘れられません。

Q3.中長期ボランティアをとおして自分がどう変わったか?
当たり前だと思っていたことに、かけがえのなさを見つけ、
感謝できるようになったこと。
何不自由なく学校に通えたこと、仕事があること、家族がいること…
「死が身近にある暮らし」のなかで、
生の尊さや重さを感じるようになりました。
だからこそ、小さな力でもいい、エイズ孤児や地域の人たちが
自分たちの力で将来を切り拓いていける土台づくりに
これからも関わっていきたいと思います。
今は会社勤めの日々ですが、帰国後の報告会や
次の中長期派遣者への引継ぎなど、
日本でできること・伝えていけることを地道に続けていきたいです。
立ち止まったとき、迷ったときに、
適確で温かいアドバイスを送り続けてくれたPLASのメンバー、
それを支えて下さったたくさんの方たち、本当にありがとうございました。

PLASでは現在、中長期ボランティアと国内ボランティアの募集を行っています。

●中長期ボランティア
3ヶ月〜1年間程、現地のコミュニティーに溶け込みながら、じっくりと
活動に取り組む、ボランティアプロジェクト。
日本と現地をつなぎ、エイズ孤児のために現場で行動を起こします。
ケニアとウガンダ二カ国へのボランティアを募集しています。

詳しくはこちら!
https://plas-aids.org/blog/mtv.html

●国内ボランティア
エイズ孤児を支援する活動は現地ではもちろん、国内でも可能です。
翻訳、発行物のデザイン、イベントヘルパー、HP管理などがあります。
少しの時間でも、あなたの思いを行動に移してみませんか?

詳しくはこちら!
https://plas-aids.org/blog/domestic.html

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□■最新エイズ孤児関連ニュース

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●ケニア:病棟しかしらないエイズ孤児
9歳のヨブ君が知っている「家」は病院だけ。
2年間変わらない遊び友達も病院周辺に住む子どもたちだ。
彼が栄養失調で病院に入院したのは2005年8月。
両親をエイズで失っていた彼には治療費を支払えないだけでなく、
連絡先となる家も、彼を引き取る親戚もいなかった。
HIV感染が分かったのもこの時だった。
2年前、栄養失調でノミにたかられていたヨブ君を入院させた。
幾度も病に侵される彼に同情し、
親戚が彼を引き取ることに躊躇していたこともあって
病院が彼を受け入れることになった。
精密検査の結果が出てないので、
まだヨブ君への抗レトロウィルス薬の投与は始まっていない。
これまでは食事やビタミンの摂取によって体調を維持してきたが、
状態が好転する兆しは見えない。
病院は、検査結果が出る数週間以内に薬の投与を検討するとしている。
ヨブ君の衣服はキスム・インターナショナル・スクールの学生たちが
先日彼を訪れたときに寄付したものだという。
友だちと遊べる学校に通いたい思いが強いヨブ君だが、
通学もまばらになってしまっていたために、
今では学校にも行けなくなってしまった。
なぜ自分が病院にいるのかまだ理解しきれていない彼だが、
勉学に対する意欲は高く、将来は指導者になることを希望している。
病院は、陽気なヨブ君の日常をより自然に近いものにするため、
彼の友だちが病棟に入って遊ぶことも許可している。
明るい性格のヨブ君と遊ぶ友達がいる一方、
ヨブ君がHIVに感染していると知るやいなや、
病院周辺に住む親の一部は子どもを彼から遠ざけた。
ヨブ君にとって、いつもガラガラと邪魔をする頭痛が悩みの種。
彼を苦しめる皮膚病も認識しているだろう。
だが、何がこれらを引き起こしているかは理解できていない。
しかし、ヨブ君の溢れんばかりの笑みは
病院周辺に住むHIV感染者や入院患者の希望となっている。
同時に、その笑みは若い時期に両親を失い、
苦しみを理解していないエイズ孤児の象徴でもある。
出典: allafrica.com
URL: : http://allafrica.com/stories/200707021756.html

●ルワンダ:若者とHIV/AIDS
先週、首都キガリで行われていたHIV/AIDS対策の会合が終了した。
参加した専門家たちはHIV/AIDSの基礎知識を若者に広めることに
課題があるとした。
アフリカの開発計画の中では、若者世代の問題がいまだに軽視されている。
若年層が最もウィルスに侵されやすいのは長年周知の事実となっていた。
ウィルスの蔓延を防ぐために、
「HIV/AIDSは避けることも、予防することもできる。
禁欲、もしくは安全なセックスを」
といった看板が多くのアフリカの国々で見られてきた。
だが、残念なことにこれらの努力が実ったとは言い難く、
HIV感染の半数が若者の間で発生しているのが現状だ。
ほとんどの若者は自分が感染しているかどうかも知らず、
HIVの感染経路や予防方法も分からない。
最近では若い女性の間で急速に拡大しており、
15歳から24歳の若者6,000人が毎日HIVに感染している。
彼らが事態を把握しない以上、エイズがない世界の実現は無理であろう。
多くの中等学校、大学においてはHIV/AIDSによって苦しむ若者の数は
計り知れない。
高級車を乗り回す、一般的に「シュガー・ダディー」と呼ばれる大人たちが
若い女学生を誘って無防備なセックスをすることで
ウィルスを感染させるだけでなく、
妊娠を知りながら無責任にやっかい払いする。
アフリカの多くの中等学校では、
教師が生徒に無防備なセックスを強要していることも
若年層の高いHIV感染率に反映されている。
現在、子どもや若者はアフリカの人口の50%以上を占めており、
その数は急速に伸びている。
HIV/AIDSによって成人が早くに亡くなってしまうことも影響しているだろう。
多くの人々が命を失うのを傍観することがあってはならない。
ルワンダのように大量虐殺が起こった国ではなおさらだ。
それゆえに、ウィルスの流行を抑えるには
若年層への情報提供やサービスが急務である。
完治の方法がない現状では、予防が第一の手段となるのだから。
反乱組織やいかがわしい政治・民族運動の陰謀に晒されやすく、
路地に出され、社会の隅に取り残された
2億5千万人の若者たちを直視しないかぎり、
この長いトンネルに光明を見出すことはないだろう。

●子どもに届かぬARV
HIVに感染している子どもの90%以上が
抗レトロウィルス薬(ARV)にアクセスできていないと政府が発表した。
今年3月の時点で13万人の患者がARVを服用しているが、
そのうち子どもは1万人であり、全体の約7%にとどまっている。
医療サービスの責任者であるNyikal医師は
ケニアでHIV/AIDSに苦しむ12万人の子どものうち、
その約半数が薬へのアクセスが不可能な状況下にあるため、
1歳未満で死亡しているという。
国内でHIV/AIDSが最も流行しているニャンザ県では
2,448人の子どもがARVで治療を受けているが、
これは県内でARVを服用している全体の5.7%でしかない。
現在ケニアでは、4〜5万人の子どもがARVを必要としている。
ARVが子どもに行き渡らない原因には
高価なARVシロップや小児用タブレットなどが挙げられる。
ARVを1年間服用し続けるのに必要な経費は、
成人が$200なのに対し子どもは$500と、成人の倍以上にもなる。
高額な治療薬に加え、医療施設が整っていない地域では
18ヶ月未満の乳児へのHIV検査が困難になる。
通常行われる簡易検査では、
母親が持っていたHIV抗体が検出される可能性があり、
乳児の感染の有無に関わらず検査結果は陽性となってしまう。
そのためにDNAを検査する特殊な検査方法が必要となり、
このことも子どもがARVにアクセスする妨げになっている。
また、子どものHIV検査は子ども自身が受けに来るのではなく、
感染の可能性がある親が受けさせることを前提としているために検査率が低く、
子どもの感染の有無が確認できない現状もある。

https://plas-aids.org/blog/cat8/weekly_news_update/

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□■編集後記

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先週、来るワークキャンプへ向けてスタッフが現地へと向かいました。
日曜日からはウガンダでキャンプが始まります。
自分も2度,PLASのワークキャンプに参加しているのですが、
ほとんどの参加者が始めて過ごすウガンダで何かを感じ、
その何かをぶつけあって、
本当に良い関係を築いて帰ってきてもらえることを期待しながら
今回のメールマガジンを作らせていただきました。
次号ではウガンダへ行ったスタッフの話の掲載も企画していますので
宜しくお願いいたします。(里吉)

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https://plas-aids.org/
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