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【Weekly News/2007-04-04】モザンビーク:僕は暗闇の中にいる

ロウリータ・フェルナンドの父親が遺したのは
泥を固めて造った小屋2軒と荒れ果てたトウモロコシ畑だけだった。
継母も2ヶ月間AIDS関連症候群に苦しんだ後に家を去った。
14歳のロウリータと11歳の妹ソフィアは
モザンビーク北西部の田園地帯、テテ州のチウタ地区に住んでいる。
この地区でのHIV感染率は17%。
昨年テテ州で無償ARVの配布が開始されたが、
チウタ地区ではHIV検査施設が2ヶ月前にできたばかり。
意識の欠如はスティグマの存在を意味し、大きな問題となっている。
本来ならば親族が手を差し伸べるところだが、HIV/AIDSの恐怖から以前のようにはいかない。
「私は今まで戦争でトラウマを受けた多くの子どもたちと接してきました」と
モザンビーク赤十字HIV/AIDS担当のボージスさんは言う。
「彼らは親族や里親に預けてこれたが、今回は違う。これは差別」と語る。
家族を養うのは困難
ロウリータとソフィアに手を差し伸べる親戚はいなかった。
それどころか1人の伯父は7人の従兄弟を通学に便利だからという理由で2人の家に住まわせた。
伯父は7人に食事を提供しているが、ロウリータとソフィアの分はない。
エイズ孤児は親が亡くなった時、彼ら自身で家族を養い、
兄弟の保護者にならなければならない場合がある。
事前の忠告にもかかわらず死期を前にした親が遺言状を書かないことも少なくない。
カストディオ・フリオ(16)の母は昨年7月に亡くなった。
間もなく父もトウモロコシ畑で倒れ、亡くなった。
この時からカストディオが3人の弟の面倒を見ることになった。
生活の心配よりも先に父親の葬儀費用を工面しなければならなかった。
彼は屋根に使われていた薄い鉄板を売り、友人から借金をした。
返済のためにトウモロコシ畑の一部を売却し、1月には貯蓄も底を突いた。
「何人かの友人が助けてくれるけど、いつも助けてくれるわけじゃない」と彼は語る。
カストディオや、同じように家族を養っている
他の子どもたちにとって、日々は食べ物を得るための争いと化す。
トウモロコシを買うために、多くの場合は唯一の財産であるヤギを売ったり、
通学を犠牲にして日雇いの仕事をしたり、森に入って野菜を探し回る。
食事は一日一食に限定される。
2006年9月、モザンビーク赤十字はこのような子どもたちを支援するために
HIV/AIDSによって影響を受けた家庭を対象に、トウモロコシ、調理油、石鹸などの
生活必需品を配給するプログラムを開始した。
地域リーダーによって選出された赤十字ボランティアは子どもたちを訪問し、
親の死やその後の生活で被った精神的なストレスの緩和に努めている。
カストディオを含む1,400人しかこのプログラムに登録していないが、
資金不足から、さらにその中の400人のみが配給を受けれている。
カストディオはまだ配給を受けていない。
未来が見えない
アルベルト・チャサッタの父親が亡くなったのは16歳の時だったが、学校に通い続けることはできた。
だが2006年11月に母親を失った時、19歳だった彼は未来も同時に失った。
長男だった彼が4人の弟、妹たちを養うことが必要になったからだ。
伯父や叔母は彼の助けには応じなかった。
10年生だったアルベルトが母親の死を知らされた時、彼は家から100kmの場所にある学校にいた。
テテ州ではごく僅かしか10年生まで進学しない。
彼はその後の進学も視野に入れていたが、
現在、彼は弟と妹たちの学費と食費を工面するために働いている。
他の多くのエイズ孤児やその地域に住む人々と同様に、アルベルトと兄弟はHIV検査を受けていない。
「受けた方がいいでしょうね」と彼は言うが、検査を受けに行くには一人$2のバス代が必要になる。
おそらく彼は自分たちの状態を知ったところで何も変わらないと思っているのだろう。
「僕は暗闇の中にいる」と彼は言う。
「僕は独りなんだ」

原題: “I am in the darkness” – AIDS orphan
日付: March 15, 2007
出典: Integrated Regional Information Networks
URL : http://www.irinnews.org/Report.aspx?ReportId=70723

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